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ジャパンハウス主催セミナー、医療デジタル化による遠隔医療や医療格差是正への期待議論(ブラジル)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年2月6日 9時0分

ジャパンハウス・サンパウロは1月31日、「医療におけるロボットと患者ケアに向けたテクノロジー」をテーマにセミナーを主催した。サンパウロ大学医学部臨床病院「Inova HC」ディレクターのジオバニ・セヒ氏や、ブラジル医療技術産業協会(ABIMED)会長のフェルナンド・シウベイラ・フィーリョ氏、医療用ロボット開発を行うサイバーダイン(注)の片見雄大氏らが参加した。ブラジルの医療現場でのロボット、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、デジタルトランスフォーメーション(DX)など革新的技術への期待と課題が議論された。

サンパウロ大学のセヒ氏によると、ブラジルの医療現場でデジタル技術活用は始まっており、その重要性は今後さらに増していくという。特に広大な国土を持つブラジルでは、遠隔地での訓練や教育、専門医による診療の困難さなど多くの課題を抱えており、デジタル技術の活用は、都市部と遠隔地の医療格差を縮める大きな後押しとなると指摘。また、デジタル技術活用で集めた膨大なデータについて、個人情報の保護を適切に行いつつ、個人に合った医療の提供や、社会全体の改善にも還元できるようにすることが重要と述べた。

フェルナンド会長は医療のもう1つの大きな課題の「所得格差」を指摘した。協会としては、規制対応などを進めつつ新しい技術導入を促し、一般のブラジル人患者が高いレベルの医療にアクセスできるようにしたいと述べた。他方で、多くの患者に高度な医療を届ける課題として、研究者や政府、大学、企業の円滑な連携とその迅速化を挙げた。特に企業の投資を引き出すには、研究者や大学などが一般の患者にメリットのある技術であることを示す必要があり、そうでなければ「大学の研究」で終わってしまうと指摘した。

片見氏は、自社が開発した身体機能の改善、補助などを行う装着型のロボットHALについて、実演デモを交えて紹介するとともに、ロボットは人間の雇用を奪う存在ではなく、人間と共生し、人間の苦手な部分を補う存在との考えを披露した。このほか、同社ではマレーシアで政府と連携することで、高度な医療機器を一般の患者がわずかな費用負担で使えるようにした事例なども紹介した。

そのほか、ブラジルの医療の課題として、(1)「治療」から「予防」への意識の転換、(2)保険制度の充実とコスト削減、(3)デジタル化に伴うAIの倫理的利用などについても指摘された。ブラジルで医療のデジタル化への期待が高まる中、その推進に当たっての課題の解決が期待される。

写真 HALのデモンストレーションをする片見氏(ジェトロ撮影)

HALのデモンストレーションをする片見氏(ジェトロ撮影)

(注)サイバーダインは、2004年に大学発ベンチャーとして設立された。

(井上徹哉、中山貴弘)

(ブラジル)

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