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米商務省、インディアナ大学に輸出管理違反で行政命令、自主開示により罰則は軽減(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月26日 13時45分

米国商務省産業安全保障局(BIS)は6月24日、インディアナ大学に対して、輸出管理規則(EAR)違反により行政命令を下したと発表した。行政命令は、再発防止策などを科す内容となっており、即日有効となった。ただし、同大学が自主的に違反を開示したことなどから、罰金は科されなかった。BISは、EAR違反に際して、産業界のみならず学術界に対しても自主開示を奨励するコメントを出している。

BISの発表によると、インディアナ大学のブルーミントン・ショウジョウバエ・ストック・センターは、EARで規制されている毒素のリシンを生産するよう遺伝子組み換えされたミバエを、本来は輸出許可が必要にもかかわらず、無許可のまま16カ国の研究機関や大学に輸出し、42件のEAR違反を犯した。これによりBISは行政命令を下し、同大学に対して、輸出管理責任者へのEARに関するコンプライアンス研修の12カ月以内の実施、同センターおよび同大学で輸出管理に関係する人々に対する今回の違反事例に関する2回のプレゼンテーションの実施、今回の違反に関連する品目(注)の1年間の輸出禁止を科した。

ただし、インディアナ大学はBISに自主的に違反行為を開示し、輸出管理法法令執行課(OEE)の調査に協力し、違反行為の発覚後に改善措置を講じたため、罰金は科されなかった。なおBISは、今回の違反は、公衆衛生に危険を及ぼすものではなかったとしている。

BISで輸出管理の執行を担当するマシュー・アクセルロッド次官補は、遺伝子組み換えミバエのような極めて小さなものでも、化学・生物兵器の規制に関わる可能性があるため研究者は注意すべきだと述べた上で、「インディアナ大学の自主開示と調査期間中の広範な協力が、非金銭的な解決をもたらした。これは、輸出規則違反が発見された場合の情報開示と協力が、学術界にとって価値あるものであることを示している」と述べた。

BISは輸出管理の執行を強化しており、違反者による自主開示を奨励している(2024年1月25日記事参照)。今回の発表は、自主開示によって罰則が軽減されたことを強調する内容となっている。

(注)輸出管理分類番号(ECCN)で1C351(ヒトおよび動物の病原体と毒素)、1C353(遺伝子要素と遺伝子組み換え生物)、1C354(植物病原菌)。

(赤平大寿)

(米国)

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