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中国自動車メーカー、アルジェリアで生産拠点設立を相次いで発表(アルジェリア、中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月29日 0時45分

中国の自動車メーカーによるアルジェリア進出発表が相次いでいる。奇瑞汽車(チェリー)傘下のブランド「ジェツアー」(捷途)の新車輸入ディーラー、レボルバのアニス・ベンハマディ最高経営責任者(CEO)は5月18日、ボルジ・ブ・アレリジ県に同ブランドの生産拠点を建設し、2025年12月の稼働開始を予定していると発表した。年間生産能力や投資額、車種などの詳細は明らかにしなかった。アルジェリアのアブデルマジド・テブン大統領が2023年7月に中国を訪問して習近平国家主席と会談した際、自動車産業の両国間の協力強化に合意してから、中国自動車ブランドとして4番目のアルジェリア進出となる。

ジェツアーに先立ち、奇瑞汽車も2023年11月に輸入ディーラーのオート・リーダー・カンパニーをパートナーに、本体ブランド「奇瑞」の生産を発表している。生産拠点を同じボルジ・ブ・アレリジ県に設置する。年間生産能力は2万4,000台だが、稼働開始3年後には10万台を目指すとしている。工場は2024年10月に稼働を開始する。

また、吉利汽車(ジーリー)は輸入ディーラーのソディベムとパートナーシップを組み、2023年11月に生産拠点の設置を検討していると発表している。総投資額は2億ドル、年間生産能力は5万台を計画しており、稼働開始は2026年とされている。同社の代表団は5月18日にバトナ県を視察し、同県知事に対して50ヘクタールの土地使用に関する申請書を提出した。

中国国有自動車江淮汽車(JAC)も輸入ディーラーのエミン・オートとの現地法人を通じて、アイン・ティムシェント県に年間生産能力10万台の商用車と乗用車の工場を建設している。建設工事の進行率は80%に達したが、現在は行政手続きが原因で事業計画が遅れていると報道された。

新車の供給不足解消を目的とした政府の一時的な輸入規制緩和方針に基づき(2023年11月21日記事参照)、アルジェリアでの生産を表明している全ての中国の自動車メーカーは、工場が稼働するまでそれぞれの輸入ディーラーを通じて完成車の輸入を継続する。

現在、アルジェリア国内で大規模な自動車製造を行っているのはイタリアのフィアットのみだ(2023年12月21日記事参照)。フランスのルノーは2021年に現地工場の稼働を停止したが、その後自動車の現地生産に関する新政令の条件に対応するために(2022年11月25日記事参照)、既存の工場の整備に 150億アルジェリア・ディナール(約180億円、AD、1AD=約1.2円)を投資し、稼働再開に向けて準備を進めている。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア、中国)

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