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農業・園芸・酪農見本市「AGRI INTEX2024」、南部コインバトールで開催(インド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月17日 14時10分

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州コインバトールで71115日、22回目となる農業、園芸、酪農、食品加工に関する見本市「AGRI INTEX2024」が開催された。2001年からコインバトール中小企業協会(CODISSIA)が主催し、中央の農業農民福祉省、TN州農業大学をはじめとする3大学(注)が支援している。

出展社総数は471社、会場は合計約23,000平方メートルの屋内展示場6カ所と、大型農業機械などが展示される屋外展示場で開催された。会場にはポンプや灌漑設備品、刈払機やチェーンソー、トラクターなどの実物展示に加え、高濃度化学肥料やバイオテクノロジーを駆使した高収穫率品種クローン苗などを幅広く展示。来場者は、効率よく良品種を収穫できる製品や取り組みについて、各展示担当者の説明に興味深げに耳を傾けていた。

特に人気があったのは小型から中型のトラクターで、日系ブランドの展示も盛況だった。トラクターを展示した企業の担当者は「インドの土は硬いところも多く、牛や人力で耕すには限界がある。全労働人口に占める農業人口も減っており、効率よく収量や生産性を向上させるには機械化が必要だ」と強調した。

写真 会場風景(ジェトロ撮影)

会場風景(ジェトロ撮影)

そのほか、ドローンを展示している企業の担当者は、GPS機能によって液体肥料や薬剤散布が自動対応可能で省人化ができる点をアピールしていた。展示品1機の価格は45万~65万ルピー(約85万5,000~123万5,000円、1ルピー=約1.9円)で、製品保証期間は1年間。10リットルの散布を行う場合、1回のバッテリー充電で飛行可能な時間は約20分だ。ドローンと同構成部品は生産連動型奨励策(PLI)の対象分野で、中央政府が積極的に推奨しているため、今後、性能品質向上とコスト競争力向上が期待される。

写真 ドローン展示品(ジェトロ撮影)

ドローン展示品(ジェトロ撮影)

農業大学と連携している研究機関出展ブースでは、学生が積極的に来場者に接する姿が見られ、農業を通じた社会の仕組みや、出展によってビジネスを学ぶ良い教育の機会になっていた。

インドの国土面積約3億2,000万ヘクタールに占める農地面積は4割を超えている。農林水産業はインドGDPの約18%を占め(2023年、インド統計・計画実施省)、労働人口の半数強が農業従事者という重要な産業だ。天候に左右される不安定な収量や不作による困窮などを背景に、特に若者を中心に、サービス業など他産業への就労シフトが進んでいる。人手不足解消、農作物生産量と農家収入の増加に向けて、今後機械化が進むとともに、良質な品種の収量増に向けての取り組みが注目される。

(注)TN州農業大学、TN州ドクター・J・ジャヤラリタ漁業大学、TN州獣医・動物科学大学

(淺羽英樹)

(インド)

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