幅広いレベルの対話進めつつ対中措置も継続、ジェトロの米中月例レポート(2024年9月)(米国、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月8日 1時0分
ジェトロは10月29日、米国の対中国関連政策についてまとめた2024年9月分の月例レポートを公表した。このレポートは、日本企業が米中関係に関する米国の動向を把握できるよう、2021年7月から毎月分を作成して特集ページに連載している。
2023年11月に行われた米中首脳会談で合意された米中両国の高官による対話継続に関しては(2023年11月16日記事、2023年11月17日記事参照)、2024年9月には、多岐にわたる分野で活発な動きがあった。
9月27日には、アントニー・ブリンケン国務長官と、第79回国連総会出席のためニューヨーク(NY)市を訪問していた中国の王毅・中国共産党中央政治局委員兼外交部長(外相)が会談した。両者はこれまでどおり米中両国間や地域間、グローバルな問題について、率直かつ建設的な議論を行い、連絡のチャネルを維持していくことの重要性を強調したほか、米中首脳会談でのコミットメントの実施について協議した(2024年10月1日記事参照)。
9月14~15日には、2024年1月に再開された米中両国軍関係者の対話の一環として、第18回米中防衛政策調整協議が開かれた。また、9月4~6日に気候変動対策に関する米中作業部会、9月20日には米中経済作業部会の開催などが行われ、ハイレベルなものから実務レベルまで、さまざまな会合が行われた。
また、中国を念頭に置いた通商関連の行政措置でも、複数の動きが見られた。バイデン政権は9月13日に非課税基準額(デミニミス、注)ルールの新たな乱用防止策を発表した(2024年9月17日記事参照)。同日、米国通商代表部(USTR)は1974年通商法301条に基づく対中追加関税(301条関税)の見直し最終結果を公表した(2024年9月17日記事参照)。さらに9月23日には、米商務省産業安全保障局(BIS)は、中国・ロシアが関係するコネクテッドカーの輸入または販売を禁止する規則案を発表した(2024年9月24日記事参照)。
米国の対中政策・措置や米国側から見た米中関係の動向について、行政府、連邦議会、産業界、学会に分けて解説する月例レポートは、こちらの特集ページからさかのぼって閲覧が可能。米中関係に関する中国の動向も確認できる。
(注)輸入貨物の申告額が800ドル以下の場合、米国ではデミニミスルールの下、関税が賦課されず、また、原産地などの情報を申告せず、簡易的に輸入できる。
(谷本皓哉)
(米国、中国)
外部リンク
- 中国、デュアルユース品目で米国型の再輸出規制を導入、エンドユーザー管理も強化(世界、中国、日本)
- EU、中国製BEVに対する相殺関税措置を発動、協議継続の方針も表明(中国、EU)
- 米税関、人権侵害を理由にソマリア製の乳香の輸入を差し止め(ソマリア、米国、アフリカ)
- 米財務省、米軍施設に隣接する不動産取引のCFIUS審査対象を拡大する最終規則を発表(米国)
- バイデン米政権、UFLPA事業者リストに中国の繊維企業3社追加(中国、米国)
- 米商務省、半導体の輸出管理違反のため、グローバルファウンドリーズに50万ドルの罰金(中国、米国)
- 中ロが関係するコネクテッドカーの米国輸入・販売禁止規則案、外国政府や企業などから多くの要望(中国、米国、メキシコ、ロシア)
- バイデン米政権、省庁横断の対ロシア制裁を発表、約400の個人・事業体を金融制裁対象(SDN)に(ベラルーシ、米国、ロシア、ウクライナ)
- バイデン米政権、省庁横断の対ロシア制裁を発表、40の事業体を禁輸対象に追加(ベラルーシ、米国、ロシア、ウクライナ)
- 米財務省、対外投資規制の最終規則を発表、AI分野の対象範囲を更新(中国、米国)
この記事に関連するニュース
-
対中強硬派ぞろいのトランプ政権に紛れ込んだ「親中」イーロン・マスクはどう動く
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月18日 18時24分
-
米下院の中国特別委員長、PNTR撤回法案を提出、可決見込みは低いものの新議会での動向に注目(米国、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月18日 13時0分
-
米大統領選、共和党トランプ氏の勝利確実、関税など通商政策の先行き注視する声も(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月7日 10時20分
-
サリバン米大統領補佐官が講演、国際経済政策で同盟国との連携の重要性強調(米国、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月28日 13時35分
-
イエレン米財務長官、米国の対中政策に賛同する国が増加と主張、トランプ関税は牽制(米国、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月23日 0時45分
ランキング
-
1北朝鮮の欧州派兵は第2次朝鮮戦争の前哨戦? 韓国とロシアの最新兵器が砲火を交える日は遠くない
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月18日 19時34分
-
2「報復社会」検索が急増 中国で相次ぐ“無差別殺傷事件” 江蘇省の専門学校で21歳男が刃物で切りつけ 8人死亡17人けが
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月18日 18時41分
-
3レバノンとヒズボラ、イスラエルとの停戦案に条件付きで合意
ロイター / 2024年11月19日 7時24分
-
4アメリカの歴史に名を残す「トランプはこの100年で最も力強い政治家に」地滑り的勝利には理由がある
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月18日 17時18分
-
5香港の住民の3分の1以上が海外への移住を希望、最も多い動機は「悲惨な経済状況または悪化する経済の未来」 中国本土への移住も5分1の人が希望
NEWSポストセブン / 2024年11月19日 7時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください