湖北省、消費財買い替え推進に向けた取り組みが進む（中国）

中国湖北省政府は8月27日に記者会見で、10億元（約210億円、1元＝約21円）としていた「湖北省の消費財買い替え推進政策」に基づく乗用車の廃車・更新（注1）、乗用車の買い替え・更新（個人向け）などの資金および農業機械の廃棄・更新の資金を、中央政府と協力して66億6,600万元に引き上げるとした（2024年5月24日記事参照）。

乗用車の廃車・更新の補助金額については、更新時に新エネルギー車を購入する場合は従来の1万元から2万元へ、省エネタイプの内燃機関車（ICE、注2）を購入する場合は従来の7,000元から1万5,000元に引き上げられる。乗用車の買い替え・更新（個人向け）については、燃料式乗用車の購入時、補助金を従来の2,000～6,000元から7,000～1万3,000元に、新エネルギー乗用車の購入時は、補助金を従来の3,000～7,000元から8,000～1万6,000元に引き上げるとしている。

会見で湖北省商務庁の李暁燕副庁長は、7月に中央政府が消費財買い替え推進政策の支援強化を発表してから、8月25日までに補助金申請が多く寄せられたと述べた。具体的には、乗用車の廃車・更新に1万5,700件、乗用車買い替え・更新（個人向け）に3万8,900件、家電の買い替えが39万7,000台あったとした。その中でも自動車の廃棄台数は急激に増加しており、6月の自動車廃棄台数は前年同月比83.6％増、7月は同89.7％増となった。これは消費者が買い替え政策を認識し、支持していることを十分に表すものだと強調した。

湖北省の家電買い替え補助を宣伝する看板（ジェトロ撮影）

また湖南省政府も8月29日、「超長期特別国債による消費財の買い替え実施支援プラン」（以下、プラン）を発表した。プランでは、2024年末までに老朽化したトラックの廃車・更新、乗用車の廃車・更新を4万台、乗用車の買い替え・更新（個人向け）を7万台、電動自転車の買い替えを30万台以上行うとした。ほかにも、新エネルギーバスおよび動力電池の更新を2万4,000台、各種農業機械の廃棄・更新を2万台、家電の買い替えを8万台、キッチン・バスルームなどのリフォームを3万件実現するとしている。

（注1）企業と個人がともに対象。また、買い替え前の車両に対する条件（旧型のものを対象）が乗用車の買い替え・更新（個人向け）などよりも厳しい。

（注2）内燃機関車（ICE車）はエンジンを搭載した自動車の総称で、エンジンの種類としてはレシプロエンジンやロータリーエンジンなどが一般的。純ガソリン車に限らず、ディーゼル車やハイブリッド車も内燃機関車に含まれる。

（高橋大輔）

（中国）