米商務省、半導体の輸出管理違反のため、グローバルファウンドリーズに50万ドルの罰金(米国、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月5日 13時10分
米国商務省産業安全保障局(BIS)は11月1日、半導体ウエハーを製造する米国グローバルファウンドリーズ(GF)に対して、輸出管理規則(EAR)に違反したとして、50万ドルの民事上の罰金を科したと発表した。
BISの発表によると、GFは2021年2月から2022年10月にかけて、EAR上のエンティティー・リスト(EL)に掲載されている中国のSJセミコンダクター(SJS)に対して、必要な許可を取得せずに総額約1,710万ドル相当の半導体ウエハーを74回にわたって出荷した。ELは、米国政府が「米国の国家安全保障または外交政策上の利益に反する行為に携わっている、またはその恐れがある」と判断した団体や個人を掲載したリストで、それらに米国製品(物品、ソフトウエア、技術)を輸出・再輸出・みなし輸出などを行う場合には、BISの事前許可が必要となる。SJSは中国の半導体最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)の関連企業で、2020年に中国政府の軍民融合戦略への加担などを理由にELに追加されていた(2020年12月23日記事参照)。
GFは違反当時、SJSにEAR対象品目を輸出するには、事前の輸出許可が必要だと認識していたが、SJSはGFの直接の取引相手ではなくGFの取引相手が指定する、半導体の組み立てやテスト作業(OSAT)などを行う企業だったことなどから、GFによる取引先審査から漏れたという。しかし、BISは、GFは出荷先を審査すべき立場にあったと述べている。
GFは、BISに対して違反行為を自主開示するほか、BISによる調査に協力し、是正措置を講じたため、罰金は大幅に減額された。
BISは輸出管理の執行を強化するとともに、効果的に執行するため、企業などによる自主開示を奨励している。2024年9月には、EAR上の自主的な自己開示と罰則に関するガイドラインを改定する最終規則を発表している(2024年9月13日記事参照)。
なお、GFは米国での半導体製造施設の新設や拡張などのため、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づく助成対象企業となっている(2024年2月21日記事参照)。
(赤平大寿)
(米国、中国)
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