中国ラッキンコーヒー、山東省青島市で過去最大規模の工場着工(中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月20日 0時25分
山東省青島市政府の発表によると、中国で最多の店舗数を誇る大手コーヒーチェーン瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー、本社:福建省アモイ市)は8月29日、山東省青島市で生産センターの工事に着手した。
同センターは、ラッキンコーヒーの中国国内で3番目の焙煎(ばいせん)工場で、総投資額は約30億元(約600億円、1元=約20円)、推定年間焙煎能力は5万5,000トンであり、コーヒー生豆の加工処理、焙煎、包装から倉庫での保管、物流までの全プロセスを自動化するという。同工場が完成すると、同社の焙煎コーヒー豆の年間供給能力は福建省と江蘇省の既存の2つの焙煎工場と合わせて10万トンを超え、同社の店舗2万店超に供給される見通しだ。
ラッキンコーヒーは、2021年に福建省で初の焙煎工場を稼働(総投資額は2億1,000万元、コーヒー豆の年間焙煎能力は1万5,000トン)、2024年4月には江蘇省で総投資額1億2,000万ドル、年間焙煎能力3万トンの焙煎工場が稼働した。青島工場が完成すれば、同社の中国工場の中で、投資額と焙煎能力ともに過去最大規模となる。
ラッキンコーヒーは中国の主要なコーヒー生豆輸入業者にもなっており、ブラジル、エチオピア、コロンビア、パナマ、グアテマラなどから調達している(同社「2024年第2四半期決算発表」)。また、中国の主要貿易港である青島港は、コーヒー生豆の重要な輸入・加工拠点でもあり、海外から輸入されたコーヒー豆は、主要な消費地に出荷する前に青島で加工処理されることが多い。ラッキンコーヒーは、陸海空鉄道の物流拠点を有する青島市の利点を利用して全国へ迅速に配送できるだけでなく、青島の各保税区から世界にもアクセスできるため、今回の工場建設は同社にとって独自のサプライチェーンの形成と効率化に役立つとしている(「青島日報」8月30日)。
飲食ビックデータ研究認証機関のNCBD(餐宝典)が発表した「2023~2024年度中国コーヒー産業発展報告」によると、2023年の中国での焙煎コーヒーの市場規模は1,623億5,000万元に達し、2025年までには2,200億元を超えると予測されている。また、2023年に中国で設立されたコーヒー関連企業の数は前年比8割増の3万9,000社で過去最高となった。
(董玥涵)
(中国)
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