中国・スリランカ首脳会談、インフラ開発に向けた経済協力・投資を推進へ（スリランカ、中国）

中国の習近平国家主席とスリランカのアヌラ・クマーラ・ディサーナーヤカ大統領は1月15日、北京で首脳会談を実施した。ディサーナーヤカ大統領は2024年9月の就任後、初めての中国訪問となり、スリランカの大統領としては2023年10月以来の訪中になった（2023年11月2日記事参照）。

両国の発表によると、今回の会談では質の高い「一帯一路」（2023年10月24日記事参照）の協力推進、相互利益が関わる地域的、国際的問題について共通理解を示した。

両国の共同声明の要点は、次のとおり。

スリランカ側は、中国の「一つの中国（One China）」原則への強固な支持を再確認し、中華人民共和国政府が中国全土を代表する唯一の合法的政府であり、台湾は中国の領土の不可分の一部であることを認める。いかなる形であれ「台湾独立」に反対し、チベット自治区および新疆ウイグル自治区に関する問題について中国を断固として支持する。中国による近代化への道を通じた、中華民族の偉大な復興の推進を支持する。
スリランカ側は、「一帯一路」協力が同国の経済・社会発展と国民生活に果たす重要な役割を高く評価し、双方は「コロンボ・ポートシティー・プロジェクト」（2023年6月22日記事参照）およびスリランカ南部のハンバントタ港を含む「一帯一路」の主要事業を推進する。
中国はIMFで引き続き積極的な役割を果たし、他の債権国と友好的な意思疎通を維持、スリランカの財政難の緩和と債務の健全化を支援する。スリランカ中央銀行と中国人民銀行は、14億ドル相当の3年間の通貨スワップ協定を更新する。
包括的な自由貿易協定（FTA）の早期締結への協議および物流、グリーン開発、デジタル経済などの分野での協力を拡大させる。農業、観光、生活支援、メディア、その他の分野での協力文書へ署名した。

また、スリランカ大統領府はディサーナーヤカ大統領の中国訪問中の16日、中国石油化工（シノペック）がスリランカ・エネルギー省との間で、ハンバントタに日量20万バレルの生産能力を持つ製油所を建設する37億ドルの投資契約を締結したと発表した。大統領府によると、本件は同国史上最大規模の外国直接投資で、精製品の輸出を通じた外貨準備高の向上や経済成長が期待されるという。

（大井裕貴）

（スリランカ、中国）