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国連が世界人口推計を発表、中国は21世紀末にかけて世界最大の落ち込みを予測(中国、世界)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月19日 9時50分

添付資料PDFファイル(89 KB)

国連は7月11日、「世界人口推計2024」(「2024年推計」)を発表した。国連は2年に1回、世界人口デー(7月11日)に際して同推計を発表している。「2024年推計」によると、2024年の中国の総人口(注1)は、前年から326万人減少の14億1,932万人と予測した。

「2024年推計」の中長期予測をみると、中国の人口は、2022年に中国を抜いて世界1位の人口規模となったインドに次ぐ世界2位の地位を21世紀末の2100年にかけて維持するとみられている(注2)。他方で、2021年(14億2,644万人)をピークに、以降は一貫して減少が見込まれ、2024年から2054年にかけての減少数は、中国の落ち込みが世界で最も大きい(2億447万人減)と予測した。また、さらなる長期予測はより不確実としつつも、中国の人口は50%の確率で今世紀末(2100年)までに2024年比で55.4%減少し、1950年代後半と同程度になるとの予測を示した。

また、「2024年推計」で中国の人口推計は「2022年推計」に比べ、大幅に下方修正となった。世界と中国、インド、米国の人口について、「2024年推計」と前回推計値「2022年推計」を比較すると、両値の開きは中国で最も大きい(添付資料図1参照)。その差は、2024年に586万人、2054年に5,939万人、2100年に1億3,331万人と、それぞれ「2024年推計」の値のほうが少ない。この下方修正には、「2024年推計」で示した合計特殊出生率の2022年と2023年の推計値(それぞれ1.03、1.00)が「2022年予測」での予測値(1.18、1.19)をそれぞれ0.15ポイント、0.19ポイント下回ったことなどが影響しているとみられる。中国当局による関連データを参照すると、中国国家統計局は1月17日に、2022年と2023年の出生数が2年連続で1,000万人を下回り、建国以来過去最低を更新したと公表していた(2024年1月29日記事参照)。

なお、「2024年推計」で中国の合計特殊出生率の見通しをみると、2023年の1.00を底に、その後は緩やかな上昇傾向を継続しつつ、その値は2054年に1.20、2100年には1.35と、一貫して1.4を割り込む「超少子化」(注3)の水準が続くと見込んでいる(添付資料図2参照)。

このほか、人口構成の予測をみると、中国の総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は、2024年14.7%、2054年34.0%、2100年45.8%と予測される。中国国家衛生健康委員会は2022年9月に開いた記者会見で「2035年前後に中国の60歳以上の人口は全体の3割を超え、高齢化が非常に進む段階に入る」との見通しを示していた(2022年9月29日記事参照)。「2024年推計」で同割合を超えるのは2034年(30.1%)で、中国政府による見通しとおおむね合致しているとみられる。

(注1)各年の人口は7月1日時点。2024年以降は中位推計値。本文では「2024年推計」の13シナリオのうち、中位推計値を利用している。「2024年推計」の中位推計値は、出生率と死亡率で確率的予測の平均値を用い、入移民数から出移民数を差し引いた純移動数で確立的予測の中央値を用いたもの。この推計は、一般的によく利用される。

(注2)なお、2022年7月に発表した前回推計値(「2022年版推計」)では、2023年にインドの人口が中国を上回ることが予測されていた。

(注3)国連は「2024年推計」の中で「合計特殊出生率1.4未満」を「超少子化」の水準と定義している。研究機関などによって定義はやや異なり、「1.5未満」とする場合もある。

(小林伶)

(中国、世界)

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