ジェトロとJAXA、カンボジアでカーボンクレジット創出に向けたシンポジウムを開催(カンボジア、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月22日 0時15分
ジェトロと宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月7日、カンボジアオクニャ協会(注)の特別協力の下、「日カンボジア経済共創交流シンポジウム~衛星技術、脱炭素技術を利用したカーボンクレジットビジネスの創出に向けて~」をプノンペン市内のホテルで開催した。
衛星データを活用した、カンボジアにおけるグリーン分野やカーボンクレジットなどのビジネス連携を目的とするシンポジウムの開催は、前年(2023年8月17日記事参照)に続き2回目。今回は、脱炭素やカーボンクレジットに関する技術を有する日系企業など19社が参加し、現地側からは政府や現地有力企業の関係者など230人が参加した。開会にあたり、植野篤志駐カンボジア日本大使、イエン・ソポルレット環境相、ディット・ティナ農林水産相より、カーボンクレジットに関して日本企業との協業への期待と今後の連携可能性が示された(2024年8月16日記事参照)。
農業、林業、工業の3つのテーマに沿ったパネルディスカッションでは、日系企業が自社の技術や活用事例を紹介した。会場からは、日本の技術をカンボジアの農家や企業でどのように活用できるかなど、具体的な連携に向けた質問が寄せられた。
また、シンポジウム内で、衛星と人工知能(AI)による農地解析技術を有するサグリ(本社:兵庫県)が、カンボジアオクニャ協会と農地の脱炭素化・カーボンクレジット創出に関する覚書(MoU)を締結した。
シンポジウムの前後には、日本企業向けに、有機肥料製造場や水田、プノンペン経済特区、縫製業協会などの視察が実施された。視察を通じて、カンボジアの工場でも脱炭素化を促す動きがあり、日本企業の技術に高い関心が寄せられていることが判明した一方、新規技術やサービスの導入に向けてはコストなどの課題も見えてきた。
シンポジウムに参加したゼロボードタイランドは「今回初めてカンボジアを訪れたが、想像以上に脱炭素への感度の高さがうかがえた。一方、脱炭素の取り組みの一歩目である温室効果ガス排出量把握の段階に至っている企業や組織は少なく、まずはそのための知識の構築を目指す啓発活動を行っていきたい」とコメントした。
サグリとカンボジアオクニャ協会のMoU締結の様子(ジェトロ撮影)
農地視察の様子(ジェトロ撮影)
(注)オクニャとは、カンボジアに貢献している個人に与えられる称号で、国王から授与される。その中でも、審査を経た個人のみがオクニャ協会に加盟できる。オクニャ協会の会員は8月15日現在、400人を超えており、著名な財閥経営者が多数所属している。
(神田桃佳)
(カンボジア、日本)
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