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経済や家庭支援などの政策をリセット、ウォン首相が初の独立記念演説(シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月21日 15時30分

シンガポールのローレンス・ウォン首相兼財務相は8月18日、独立記念集会の演説で、経済や家庭支援などの政策をリセットするとともに、国民の意識改革も必要だと訴えた。ウォン氏が5月15日に第4代首相に就任して以来、初の独立記念集会の演説となった(2024年5月16日記事参照)。

ウォン首相は同演説で、経済、家庭、公共住宅、教育における新たな政策と支援策を打ち出した。同首相は経済分野での政策として、ガン・キムヨン副首相兼貿易産業相を委員長とする閣僚委員会が、ライセンス申請などの手続きや規制の緩和に向けた見直しを行うと述べた。また、同首相は、失業者の生活を支援する「スキルフューチャー求職者支援スキーム」の導入を発表した。同スキームは、解雇や会社の倒産により失業した労働者を対象に、研修の受講などを条件として、最長6カ月の間、最大6,000シンガポール・ドル(約68万円、Sドル、1Sドル=約113円)を支給するものだ。

シンガポールでは子供の出生時に父母に対する育休取得が保証され、子供の数などの基準に基づき、政府が育休期間の給与を一定程度負担する制度が設けられている。現行制度では、母親は出産前後(産前4週から産後12カ月まで)に16週間、父親は子供の出生以降に2週間取得できる。今回、首相は、父親の育休期間を2025年4月から4週間に延長するとともに、2026年4月1日からは新たに父母のいずれかが追加で10週間育休を取得できるようにすると発表した(注)。制度変更が実現すれば、父母が取得できる育休期間は延べ30週間に延長される。本制度変更の目的は父親の育児参加をより促すことで、同首相は「女性がキャリアの目標を追い求めつつ、(育児など)家事の責任をより重く背負うことは不可能だ。父親も育児でより大きな役割を担う必要がある」と呼びかけた。

新屋内競技場を建て替え、全長120キロの沿岸地域再開発へ

このほか同首相は、既存の屋内競技場を全席1万8,000席の新競技場に建て替えるとともに、スポーツスクールの移転を含めた南部カラン地区の再開発のマスタープランを発表した。また、南西部パシルパンジャンから東部タナメラ・フェリーターミナルに至る全長120キロに及ぶ沿岸地域を、住宅やレジャー施設などを再開発する長期的な計画も明らかにした。同首相は、これら大型投資の完成には数十年かかると述べた上で、「今から取り組むことで、数十年先により良いシンガポールとなるための基礎を築くことができる」と強調した。

(注)母親または父親のいずれかが取得可能な育休の延長は2段階で実施され、2025年4月以降に出生した子を持つ申請者を対象にまず6週間、2026年4月1日からさらに10週間へと延長する予定。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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