オーストラリアと欧州企業、モロッコ・欧州間海底電力ケーブル敷設で連携(モロッコ、オーストラリア、ベルギー、ルクセンブルク、スペイン)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月21日 10時55分
オーストラリアの鉄鋼大手フォーテスキューとベルギー・ルクセンブルクを拠点とする海洋建設大手ヤン・デ・ヌルは6月10日、北アフリカのモロッコから欧州向けの海底ケーブルを使ったグリーン電力移送ビジネスで連携することに合意した。グリーン電力の供給拠点として期待される北アフリカと、需要のある欧州をケーブルで結ぶ計画だ。両社はオーストラリアなどで20年以上のビジネス関係を構築してきた。なお、現在も、モロッコとスペイン間では電力の輸出入が行われており、モロッコとしては、将来的に拡大が期待される再生可能エネルギー由来の電力の移送能力の強化が狙いと考えられる。
調印に臨んだフォーテスキューのDr.アンドリュー・フォレスト会長は「モロッコ、そして北アフリカから欧州へのグリーン電力の供給には大きなビジネスチャンスがある。ケーブル敷設能力の不足がモロッコと欧州を結ぶ際の課題と認識している。ヤン・デ・ヌルと連携することで、雇用や経済成長、市民に対しグリーンエネルギー利用選択の機会を提供でき、北アフリカと欧州双方に利益をもたらす」と期待を示した。
また、ヤン・デ・ヌルのir.ヤン・ピーター・デ・ヌル会長は「世界中でグリーン電力の需給間電力移送が起こっている。世界最先端の海底ケーブル敷設船5隻を含む技術船団を使い、エネルギーの移送を実現する準備ができている」と意欲を示した。
フォーテスキューは2024年4月、当地のリン酸肥料生産で世界大手のモロッコ国営リン鉱石公社(OCP)と、モロッコでグリーン共同企業体(JV)の立ち上げで合意していた(2024年4月23日記事参照)。再生可能エネルギー生産拠点化を目指すモロッコと大市場の欧州を結ぶグリーンエネルギー回廊のインフラ整備の一環として、今後もその進捗に注目したい。
(本田雅英)
(モロッコ、オーストラリア、ベルギー、ルクセンブルク、スペイン)
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