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物価安定も、国民の生活苦は軽減せず(ケニア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月7日 16時10分

ケニア国家統計局は10月31日、同月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比2.7%だったと発表した。項目別でみると、食料・飲料が4.3%、住宅・水・電力・ガス・その他の燃料が0.4%だった。2023年を通して物価上昇を牽引してきた交通は1.3%減となった。通貨シリングの安定により、燃料価格も安定し、交通の物価上昇が止まった。

物価は急激に安定に向かいつつあるものの、国民の生活苦が軽減されたとの声は聞こえてこない。食料価格を見れば、砂糖や主食のメイズなど多くを輸入に頼る品目では前年同月比で10~30%減となっている一方で、ケニア人の食生活に欠かせないスクマウィキ(27.8%、注)、牛肉(13.7%)、トマト(9.9%)、ニンジン(29.8%)などは大きく価格が上昇している。

ケニアのスタンビック銀行は11月5日、10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)を50.4と発表した。前月より0.7ポイント上昇し、景気判断の境目となる50をわずかに上回った。同行シニアアナリストのムラロ・マドゥラ氏は「慎重ながらも楽観的な見通し」と表現しつつも、生産、新規受注、雇用など全ての点で先月を上回るなど、成長軌道に戻ったと評価している。

(注)ケニアで最も食べられている野菜

(佐藤丈治)

(ケニア)

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