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サラヤのエジプト工場、ホホバオイル年産100トン目指す、化粧品を輸出(エジプト、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月5日 1時35分

サラヤ(大阪市東住吉区)が6月25日、スエズ運河経済特区でエジプト工場のオープニングセレモニーを開催した。更家悠介代表取締役社長やスエズ運河経済特区(SCZone)庁のワリド・ガマル・エルディン長官、岡浩・駐エジプト日本大使らが出席した。

サラヤはエジプトでホホバオイルの生産販売ほか、手肌用消毒液、医療用ニトリルグローブ、羅漢果(らかんか)を利用した天然甘味料ラカントを販売している。

エジプトの商品作物用の樹木は、ナイルデルタではデーツを収穫するナツメヤシが栽培の中心で、オアシス周辺の乾燥地ではオリーブが多い。ホホバオイルの研究者のナビル・エル・モギー博士(Dr. Nabil El Mougy)と更家社長は、乾燥地でも生育し、塩害の土壌にも強いホホバツリーの可能性に早くから着目し、2018年にナビル博士とサラヤの共同出資で、サラヤ・ミドルイーストを紅海沿岸アインソクナのSCZoneに設立した。

ホホバオイルは、化学構造が人間の皮脂やマッコウクジラ油(鯨ろう)に近いことから、天然由来の化粧品原料や工業用潤滑油に適している。ホホバツリーの栽培は大阪大学とエジプトのサダト大学との産学連携で研究し、化粧品や果実防腐剤、虫よけ、医薬品向け製品開発はエジプト-日本科学技術大学(E-JUST)との産学連携で進めてきた。X線を照射すると蛍光するため、レントゲン検査用の造影剤開発も進めている。新型コロナウイルス禍などの要因で操業開始が遅れたものの、2023年にコールドプレス(低温圧搾)によるホホバオイルの試験生産を開始した。当面は年産100トンを目指しており、90%を化粧品原料として、10%を工業用として開発する。サラヤの世界14工場のうち、ホホバオイルを生産しているのはエジプト工場だけで、自社ブランドの化粧品を国内販売のほか、英国やフランスに輸出している。

工場開所式で更家社長は、ホホバ栽培やオイル生産を通じてエジプトの緑化を促進し、農業の付加価値を高め、SDGs(持続可能な開発目標)に貢献すると述べた。SCZoneのエルディン長官は、同社はSCZone設立後32番目の入居企業で、日本企業としては初めてであることを誇り、スエズ運河を経由しなくとも、陸路で地中海沿岸から欧州に輸出できる地の利を生かして、多くの日本企業に進出してほしいと述べた。

更家社長はセレモニー前日の24日にムスタファ・マドブーリー首相と会談、セレモニー翌日の26日にはエジプト統一調達・医療品・医療技術管理庁(UPA)と「医療用ニトリルグローブ供給に関するMOU」を締結した。同社のニトリルグローブは柔軟性に優れ、かつ破れにくいことで定評があり、エジプト国内に年間5億双供給を目指している。

写真 セレモニーでホホバオイル製品を紹介する更家社長(ジェトロ撮影)

セレモニーでホホバオイル製品を紹介する更家社長(ジェトロ撮影)

(西澤成世)

(エジプト、日本)

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