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ジョホール州、2025年1月から休日を土日に変更、11年ぶり(マレーシア、シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月8日 9時50分

マレーシア南部に位置するジョホール州は、2025年1月から休日を、現在の金曜と土曜から、土曜と日曜に変更する。ジョホール州のトゥンク・イスマイル・スルタン・イブラヒム皇太子が、10月7日に自身のSNSで声明を発表した(同氏フェイスブック)。同州の週末が見直される可能性は2022年にも報じられていたが、公式発表は初めて。

声明で皇太子は、「マレーシア国王スルタン・イブラヒム陛下の同意を受け、またジョホール・イスラム宗教評​​議会の意見も考慮した上で、2025年1月1日からジョホール州の週末を土曜と日曜に変更する」と説明した。また、オン・ハフィズ・ガジ州首相にも、休日変更についてあらゆる角度から協議・検討するよう要請した、とも付言した。他方で皇太子は、民間部門、政府および関係機関に対し、イスラム教徒の従業員が金曜の礼拝を行うのに十分な時間と場所を確保するよう求めた。

ジョホール州は、イスラム教徒にとっての金曜日の重要性を尊重し、イスラム教を州の宗教とする証しとして、2014年1月以降、週末を金曜と土曜に変更していた(2013年12月16日記事参照)。それ以前にも、1994年まで金土を州の休日としていたが、1995年以降は、当時の州首相だったムヒディン・ヤシン元首相によるビジネス環境改善策の一環として、休日を土日に切り替えていた。今回のジョホール州における制度変更により、マレーシアの13州のうち、金土を休日とするのはクランタン州、トレンガヌ州、クダ州の3州のみとなる。

国内では、極めて好意的な反応が寄せられている。オン・ハフィズ・ガジ州首相は、今回の変更により、州全体で約250万人に影響が及ぶものの、政府と民間部門のスケジュールが統一され、国境を越えた経済活動も促進される、とコメントした。休日変更はビジネス活動にプラスの影響を及ぼし、州内企業の競争力向上にもつながる、と歓迎するジョホール州議会議員の意見もあった。隣国シンガポールと国境を接するジョホール州は、同国との経済特別区を設立する予定で(2024年1月15日記事2024年7月23日記事参照)、10月中に連邦政府が発表する2025年国家予算案でインセンティブの詳細が明らかになる、と報じられている。この点で、シンガポールと休日を整合させることの意義を指摘する声もあった。

(吾郷伊都子)

(マレーシア、シンガポール)

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