米ボーイングのストライキ終結、4年間で38%の賃上げで妥結(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月8日 1時10分
米国ボーイングは11月4日、労働組合との契約条件合意に達し、ストライキの終結を発表した。10月31日に会社側が提示した契約条件に、投票で59%の労働者が支持を表明し、これにより約8週に及んだストライキ(2024年10月25日記事参照)は終わりを迎えた。
ボーイングの労働組合(IAM)は10月23日の投票での否決後も、ジュリー・スー米労働長官代行の支援を受け、会社側と交渉を続けてきた。10月31日には、4年間で38%の賃上げに加え、一時金の支給額を1万2,000ドルにする案を会社側から受けた。同時に、「シアトル・タイムズ」(11月1日)によると、ボーイングのケリー・オルトバーグ最高経営責任者(CEO)が労働組合との交渉に直接介入し、これ以上の条件の譲歩はないと伝えたという。労働組合側の代表を務めるジョン・ホールデン氏は、今回の提案が否決された場合、シアトル近郊での次世代航空機の製造計画の中止、38%の賃上げの撤回など、次回の提示では条件が悪化する可能性もあると述べ、組合員に可決を促すコメントを発表していた。
合意の結果を受けて、ボーイングのオルトバーグCEOは「組合と合意に達することができて、うれしく思う。この数カ月は、われわれ全員にとって困難な時期だったが、われわれは同じチームの一員だ。(互いに)耳を傾け、一緒に働くことで、前に進むことができる。素晴らしい企業としてのかつての輝きを取り戻すには、まだ多くの課題がある。一丸となってこの苦難を乗り越え、より強固なチームとなる」と述べた。
ストライキ終結により、同社は今後数週間かけて航空機の生産を拡大していく予定だが、主力機の「737MAX」の生産機数はしばらくの間、月1桁台となる見込みで、ストライキ前の月38機には及ばず、同社の生産への懸念は続いている(ロイター11月5日)
(芦崎暢)
(米国)
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