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西部陸海新通道、東南アジア向けの重要な輸送ルートに(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月16日 10時50分

中国国営メディアの新華社は8月5日、国家発展改革委員会が2019年8月に「西部陸海新通道全体規格」を発表し、西部陸海新通道(注)が本格的な運行を開始してから、8月2日で5周年を迎えたと報じた。この5年間の同路線の累計運行本数は3万本を超え、輸送貨物量は310万TEU(20フィートコンテナ換算)を超えた。また、中国から世界124カ国に向けて運行され、輸送された品目は1,150種類以上に及んだとした。主要貨物は、電子製品や自動車、自動車部品、機械設備、家電製品、食品などだった(「新華網」8月5日)。

重慶市の8月11日の発表によると、同市果園港では2024年1~6月の西部陸海新通道の運行本数は前年同期比64%増の479本だった。重慶市に本社を置く賽力斯集団(セレス)は、重慶工場で生産する部品を同市から西部陸海新通道を利用して、自社インドネシア工場に運んでおり、輸送時間を従来の30日から18日まで短縮させたという。

ジェトロは8月9日、シンガポール系海運企業の太平集運服務(中国)(PIL LOGISTICS)担当者に、西部陸海新通道の運行状況について話を聞いた。同担当者は「中国西南地域から東南アジア向け貨物を輸送する場合、従来ルートでは重慶市から上海市まで長江を通り、東南アジアまで海上輸送するルートとなり、通常は1カ月かかる。しかし、西部陸海新通道を利用すれば、2~3週間に短縮される。輸送コストはほぼ同様のため、重慶市では、長江輸送ルートの代替手段として西部陸海新通道の利用が大幅に増加している。西部陸海新通道は既に中国西南地域から東南アジア向けの一番重要な輸送手段として役割を発揮している」と解説した。さらに「2017年に開始した西部陸海新通道の重要な港である(ベトナムの)北部湾(トンキン湾)の建設が完了し、主要ルート〔重慶市~広西チワン族自治区~北部湾(トンキン湾)~東南アジア〕が整備された。そのほか、重慶市から雲南省昆明市、同省モーハン口岸を経て、東南アジアまでを結ぶ列車の運行も開始している」と述べた。一方で、ラオス、タイを経由してマレーシアを結ぶ新ルートでは、ラオスとタイ間の鉄道輸送インフラの建設が完了しておらず、現時点でこのルートを活用する企業は極めて少ないという。

(注)主要ルートは、重慶市から貴州省、広西チワン族自治区を経由して、東南アジアへ至るルートと、重慶市から雲南省を経由して、東南アジアへ至るルート。その他、重慶市から湖南省を経由するルートや、成都市を起点とするルートもある。

(王植一)

(中国)

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