中小企業の輸出振興に係るイベント開催、経済担当調整相らが出席（インドネシア）

インドネシア商工会議所（KADIN）は7月22日、ジャカルタ市内でインドネシアの中小零細企業の輸出振興（注1）を目的とした「インドネシアの中小零細企業フェスティバル」を開催した。同イベントには、アイルランガ・ハルタルト経済担当調整相、テテン・マスドゥキ協同組合・中小企業相が出席した。

アイルランガ調整相は開会式において、インドネシアの労働人口の97％近くを中小零細企業の労働者が占めていると述べ、「KADINをはじめとした産業界による中小零細企業への一層の支援を期待している」と強調した。また、日本をはじめとする外国企業に対しては、輸出志向の中小零細企業の能力強化、具体的には、貿易関連書類の読解のための研修などの取り組みへの期待を示した。

主催者であるKADINのアルシャド・ラシッド会頭は、インドネシアの中小零細企業数は6,500万社を数え、ASEANの中小零細企業の90％を占めるとした。一方、そのうち輸出に取り組む企業の割合は15％ほどで、近隣のマレーシア（17.3％）やタイ（28.7％）と比較しても低い割合だと述べた。同会頭は「中東や欧州、アフリカなど、インドネシア企業にとって新しい市場（非伝統的市場）への輸出を一層強化する必要がある」と強調した。

同イベントでは、インドネシア産業界が有望な輸出市場とみる日本への輸出促進の一環として整備したオンラインプラットフォーム「Wiki Export（注2）」の立ち上げ式も行われた。

オンラインプラットフォームの立ち上げ式（ジェトロ撮影）

（注1）インドネシア政府による中小零細企業の輸出振興は、大統領決定2023年24号により経済担当調整相が運営委員会の委員長に任命されている。また、経済担当調整相令2023年416号に基づき「国内輸出促進タスクフォース」が設置されており、タスクフォースの長に経済担当調整省秘書官、メンバーに商業省次官、インドネシア経営者協会（APINDO）会長、KADIN副会頭が任命されている。

（注2）2022年10月のB20サミットにおいてKADINが発表したインドネシアの中小零細企業の輸出促進のためのプロジェクト。同オンラインプラットフォームは貿易に関する基礎情報を学べるオンライン講座が新たに追加されたほか、ソーシャル・ネットワーキング・サービスである「Whatsapp」のチャットボット機能により、受講者からの質問に回答できるように改良された。ジェトロもオンライン講座の開発に協力した。

（大滝泰史）

（インドネシア）