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バイデン米政権、AGOAの再承認・現代化の必要性を強調(米国、アフリカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月30日 11時45分

米国通商代表部(USTR)は7月24~26日、第21回米国・サブサハラ・アフリカ貿易経済協力フォーラム(AGOAフォーラム)を米国の首都ワシントンで開催した。

米国のアフリカ成長機会法(AGOA)は、米国とアフリカ・サブサハラ地域間の貿易投資の拡大や、同地域の持続可能な経済成長の促進などを目的に、2000年5月に施行された。同法に基づき、2024年7月時点で、同地域49カ国のうち米国が受益国に指定する32カ国(注1)の6,800以上の品目(注2)に対し、米国への輸入時に無関税などの特恵待遇が供与されている。また、USTRは同法に基づき、AGOAフォーラムを年次で開催するほか、AGOA施行状況に関する報告書を隔年で作成する(注3)。

USTRが7月26日に発表したAGOAフォーラムの開催報告によると、フォーラムには米国およびAGOA受益国の政府関係者やビジネスリーダーが参加し、米国・アフリカ諸国の経済関係強化や、包摂的で持続可能な経済開発の促進などについて議論した。USTRのキャサリン・タイ代表はフォーラムの開会あいさつで、AGOAを通じたアフリカ経済への貢献を強調した一方で、新型コロナウイルスのパンデミックに伴う世界的なサプライチェーン混乱などを例示しつつ、AGOA施行当時から世界経済は大きく変化していると指摘した。その上で、「バイデン政権は、AGOAの再承認を支持しているだけでなく、時代に即してAGOAを強化・改善することを支持している」と述べ、特に域内の開発途上国におけるAGOA利用率の向上、サプライチェーンの強靭(きょうじん)化、人々の生活水準の向上に向けた議論の必要性を訴えた。

現行のAGOAは2025年9月30日に失効する。米国連邦議会による有効期間の延長などの立法措置が講じられない限り、同日をもって、アフリカ諸国からの物品の輸入に対する特恵待遇は終了することになる。米国のジョー・バイデン大統領はAGOAフォーラム開催前日の2024年7月23日にAGOAに関する声明を発表し、「2025年に有効期限切れを迎えるこの画期的な法律(AGOA)を速やかに再承認・現代化するよう議会に要請する」と訴えた。

(注1)受益国の一覧はUSTRウェブサイト参照。

(注2)AGOA受益対象国からの米国への輸入については、AGOAに基づく1,800以上の品目に加えて、一般特恵関税制度(GSP)に基づく5,000以上の品目に対しても、特恵関税が供与される。なお、GSPは2020年末に失効しているが、AGOA受益対象国からの米国輸入に対してはGSPに基づく関税減免措置も引き続き適用可能。GSPについては2023年5月22日付地域・分析レポートも参照。

(注3)前年のフォーラムは、南アフリカ共和国で開催(2023年11月13日記事参照)。USTRは、今回のフォーラムに先立つ6月28日に報告書を発表した(2024年7月2日記事参照)。

(葛西泰介)

(米国、アフリカ)

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