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ガラス容器のデポジット制度を試験的に導入(フランス)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月11日 0時55分

フランスで包装容器のリサイクルや管理を行うエコ・オーガニズム(注)のシテオ(CITEO)は7月3日、2025年5月からフランス北西部でガラス容器のデポジット制度を試験的に導入すると発表(プレスリリース、フランス語)した。

容器の回収率が全国平均を大きく上回り、食品容器の再利用(リユース)に積極的な4つの地域圏(ペイ・ド・ラ・ロワール、ブルターニュ、ノルマンディー、オー・ド・フランス)が実施対象に選定された。1,600万人の消費者を対象に、6種類3,000万個の統一容器を使用し、回収、輸送、洗浄のロジスティックスを共同で行うことで、クローズドループを確立する。

具体的には、「R-Cœur(Rクール)」と名付けた統一ガラス容器を製造する。2024年10月~2025年7月に、飲料用瓶(1リットル、広い口と狭い口の2種類)、ビール用褐色瓶(750ミリリットル、330ミリリットル)、野菜などの食品用広口瓶(720ミリリットル、450ミリリットル)の6種類の容器の製造を順次開始する。シテオは、2023年5月にデポジット制度の導入に向けたリユース可能なガラスの食品容器の生産プロジェクトの開始を発表していた(2023年5月22日記事参照)。

2025年3月からスーパーマーケットの店内に容器の回収装置を設置し、同年5月にデポジット制度を開始する予定。2024年7月4日付「ル・フィガロ」紙ウェブ版によると、デポジットの料金は1容器あたり20~30ユーロセントになる見込み。デポジット制度の実施に向けて、コカ・コーラ、ハイネケン、ネスレ・ウォーターズなどの大手飲料メーカーやカルフール、ルクレール、ビオコープなどの大手流通業者を含め、100を超える企業が参加している。

シテオのジャン・オルナン社長は「デポジット制度が普及することで、環境への負荷を軽減できる」とし、全国レベルでの実施を目標に掲げている。フランスの循環経済法では、2027年までに包装容器のリユース率を10%にすることを定めているが、政府は2023年9月27日、プラスチックボトルのデポジット制度導入の断念を表明(2023年10月4日記事参照)しており、今後の動向が注視される。

(注)拡大生産者責任の枠組みの中で、国の許可を得て、リサイクルや廃棄物の管理を行う非営利企業。

(奥山直子)

(フランス)

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