米国で走行する乗用車と小型トラックの平均車齢、過去最高の12.6年に上昇(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月3日 1時35分
自動車関連の調査を行う米国のS&Pグローバルモビリティー(以下、S&P)が5月22日に発表した調査結果によると、2024年1月時点で米国の道路を走行する乗用車と小型トラックの平均車齢は、前年同月時点より2カ月長い12.6年となった。車種別にみると、乗用車が14年、スポーツ用多目的車(SUV)を含む小型トラックが11.9年で、いずれもデータの確認できる2012年以降で最長だった。
また、同年1月時点で稼働中の車両(VIO)は、前年より200万台増加の2億8,600万台だった。車齢別にみると、6年未満の車両が2019年には9,800万台と、VIO全体の約35%を占めていたが、2024年時点では約3割に当たる9,000万台未満となっており、車齢の若い車の割合が減少した。今回の結果に関して、S&Pは、2015~2019年の好調な新車販売と、新型コロナウイルス禍での車両の供給不足による販売台数の減少が影響したとみている。
S&Pは、こうした車齢の古い車両の増加は、より多くの車両が通常車齢6~14年といわれるアフターサービスの適齢期を迎えていることを意味しており、車両サービス部門にとってビジネスチャンスとなるとみている。同社のアフターマーケット部門責任者のトッド・カンポー氏は「このスイートスポットにある車両は1億1,000万台以上で、これは路上を走行する車両の約38%に相当する。この車齢の範囲にある車両は、2028年までに推定40%まで増加し続けると予想している」と述べた。
なお、今回の調査では、2024年1月時点の廃車率(注)が4.6%で、前年同月の4.5%とほぼ変わらないことも分かった。しかし、車種別に2020年からの変化をみると、乗用車では、廃車数約2,700万台に対して新規登録車数約1,300万台と、1台の新規登録に対し2台が廃車された。一方、小型トラックでは、廃車数約2,600万台に対して新規登録車数約4,500万台で、乗用車からSUVを含む小型トラックにシフトする市場の嗜好(しこう)の変化を表す結果となった。
(注)全車両数に占める廃棄された車両数の割合。
(大原典子)
(米国)
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