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南部リオ・グランデ・ド・スル州洪水被害でインフレ率上昇の懸念(ブラジル)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月11日 0時40分

ブラジル中央銀行のロベルト・カンポス・ネト総裁は5月24日、同国を代表するシンクタンクのジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)が開催したセミナーで、4月末から続くリオ・グランデ・ド・スル州の洪水被害について「洪水被害の影響で食料価格がある程度高騰すると考えられる。インフレ率も若干上昇する可能性がある」と述べた(注1)。

4月26日付の中銀週次レポート「フォーカス」(注2)では、代表的な物価指数の拡大消費者物価指数(IPCA)の見通しは、2024年が3.73%、2025年が3.6%となっていた。一方、5月31日付見通しでは、2024年が3.88%、2025年が3.77%と上昇している。

5月31日付現地紙「エスタード」によると、2024年のインフレ率が4.0%以上になると予想するエコノミストもいる。例えば、FGVのアンドレ・ブラス物価指数コーディネーターは同紙のインタビューで、2024年のインフレ率は3.9~4.0%、場合によっては4.5%になると予想している。

また、資金運用会社ライフタイム・アセットのエコノミスト、マルセラ・カワウチ氏は同紙のインタビューで「(洪水被害について)まだ不確定要素が多いため、中銀は(政策金利に関して)今後慎重に動く必要がある」と述べた。中銀の金融政策委員会(Copom)は政策金利(Selic)を下げ始めた2023年8月の会合から7回連続で利下げを行い、5月2日にSelicを10.50%にしたが(2024年5月20日記事参照)、カワウチ氏は、6月に行われる次の会合ではSelicが0.25ポイント引き下げられる、あるいは引き下げが行われない可能性を示唆した。

(注1)農務省(MAPA)のデータによると、リオ・グランデ・ド・スル州は国内のコメ生産の約70%、小麦生産の45%、大豆生産の15%を占めている。

(注2)フォーカスは、中銀が国内100機関以上の金融機関を対象に行ったアンケートを基に予測をまとめたもの。毎週金曜日の集計を基に平均値を算出し、翌週月曜日に公表する。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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