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オーストラリア水素ミッションを実施、NSW州ニューカッスルで現地視察(オーストラリア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月20日 1時10分

ジェトロは202499日から11日にかけて、「オーストラリア水素ビジネスミッション」を開催した。日本企業などの関係者約50人が、ニューサウスウェールズ(NSW)州、クイーンズランド州を訪問した。9日はNSW州のニューカッスルにおいて、水素やエネルギーに関係する地元関係者11機関(注1)とのネットワーキングおよび視察を行った。

写真 ニューカッスル大学(NIER)で説明を受けるミッション参加者(ジェトロ撮影)

ニューカッスル大学(NIER)で説明を受けるミッション参加者(ジェトロ撮影)

同日に訪問したニューカッスル大学のニューカッスルエネルギー資源研究所(NIER)では、同研究所(2024年6月4日記事参照)がエネルギー分野において産業界と協力して商業化前の実証を実施していること、企業と大学の連携プラットフォームとしての役割を果たしていることや、日本企業との共同研究などの技術的な協業への関心が示された。ニューカッスルを含むハンター地域は、州の経済活動の8%を占めるなど地方経済圏としては国内最大規模だ。州政府は、地域周辺に再生可能エネルギーゾーン(Renewable Energy Zone:REZ)の開発が予定されており、2025年にはニューカッスル空港に国際ターミナルが完成するなどグローバルな需要にも対応できるとアピールした。

また、ミッションでは、鉱山などで使用される商業用の爆発物製造企業オリカの、ニューカッスル・クーラガン島にある工場を視察した。同工場では、天然ガスから年間36万トンのアンモニアを製造している。同社は、オーストラリア電力大手オリジンエナジー・フューチャー・フューエルが計画する「ハンター・バレー・水素ハブ」で生産されるグリーン水素の大口の需要家となり、アンモニア製造工程で、天然ガスの代替として水素を使う予定だ。

そのほか、オーストラリア電力大手AGLエナジーがハンター地域で計画している再生可能エネルギーを集積したエネルギーハブの取り組みや、二酸化炭素(CO2)を炭酸塩として固定化して建材を製造する同国のCCU(CO2の回収・利用)企業MCiカーボン(注2)による事業紹介が行われた。MCiカーボンは現在、オリカのクーラガン島にある工場近くに新しいCCU施設「マートル」を建設中だ。また、ニューカッスル港湾会社は、グリーン水素やグリーンアンモニアなどの生産、貯蔵、輸出の主要拠点となるクリーンエネルギー専用地区の予定地や、ハンター地域から民間企業による2つの水素プロジェクト(注3)が連邦政府のグリーン水素価格差支援策(ハイドロジェン・ヘッドスタート)(2023年7月27日付地域・分析レポート参照)の最終候補に選ばれていることなどを紹介した。

(注1)上記記載の機関のほか、ハンター地域の経済団体ビジネスハンター、ハンター地域の水素クラスターNewH2、地元の製造業や研究機関が集まる産学連携のハンターネットクラスター、オーストラリア監査会社のAuditCoが参加した。

(注2)MCiカーボンには、伊藤忠商事、みずほ銀行、三井住友信託銀行が出資している。

(注3)ハンター地域で計画されているグリーン水素プロジェクトのうち、連邦政府のグリーン水素価格差支援策(ハイドロジェン・ヘッドスタート)に選ばれているのは、上記の「ハンター・バレー・水素ハブ」および、韓国電力公社(KEPCO)による「ニューカッスル港グリーン水素プロジェクト」。詳細は再生可能エネルギー庁(ARENA)のウェブサイトを参照。

(青島春枝)

(オーストラリア)

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