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バングラデシュ財務省、2024/2025年度予算案を発表(バングラデシュ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月14日 0時5分

添付資料PDFファイル(3 MB)

バングラデシュ財務省は6月6日、2024/2025年度(2024年7月~2025年6月)の当初予算案を発表した(添付資料参照)。歳出総計は、前年度比12%増の7兆9,700億タカ(約10兆3,610億円、1タカ=約1.3円)となった。新年度予算案は、税制の合理化などを通じた歳入増、各種インフラ整備に係る「開発プログラム(Annual Development Programme、以下ADP)」を主眼として構成し、経済指標や税制改正についても明示した。また、IT産業振興を柱とした「スマートバングラデシュ」構想(注1)の実現、インフレの抑制(2024年5月10日記事参照)などが引き続き重要な位置付けであることも示された(バングラデシュ財務省ウェブサイト)。

中期的には安定した経済成長の見通しも示される中(2024年5月29日記事参照)、政府は予算案の中で2024/2025年度に6.75%の経済成長率および6.5%のインフレ率を目標に掲げる。ADPには2兆6,500億タカ(前年度比8.2%増)が充てられ、主要な開発分野は地方行政(14.6%)、交通(12.1%)、電力(11.0%)、教育(10.4%)となっている。

輸入時にかかる税に関しては、人造繊維の衣類および付属品(メリヤス編みまたはクロセ編みのものを除く、HS62類の一部)や食用のくず肉(HS02類の一部)など計19品目に係る補足税(SD、注2)の撤廃、HS61類の人造繊維の衣類および付属品(メリヤス編みまたはクロセ編みのものに限る)など計172品目に係るSDの減税などが明記された。一方、国内生産の進展がみられる家庭用浄水器については、地場産業保護のため一般関税(CD)税率を10%から15%に引き上げた(注3)。

その他の税制に関しては、IT・ソフトウエア会社を対象とした法人税の免税措置は、2024年6月まで有効とされていたところ、さらに3年間の延長方針が打ち出された。他方、政府が従来講じていた経済特区(EZ)およびハイテクパークの法人税、ロイヤルティーや技術支援料に係る所得税の減免措置について、バングラデシュ政府が開発する(詳細な定義は明記されていないものの)対象特区のみを適用対象とする案が示され、関連の動向が主要各紙で報じられている(「デイリー・スター」紙6月11日、「ビジネス・スタンダード」紙6月8、10日)。報道によると、同案に対し、外国投資家商工会議所(Foreign Investors Chamber of Commerce and Industry:FICCI)は6月10日に実施した記者会見にて、他国との競争や政策の一貫性の観点から、投資誘致の促進に大きくネガティブな影響をもたらす旨の懸念を表明している。

(注1)「Smart Citizens」「Smart Economy」「Smart Government」「Smart Society」の4つの思想から成る、デジタル技術活用などを通じ、経済・社会発展を目指す構想。具体的には、政府が主導する「キャッシュレス化」の促進(「世界は今―JETRO Global Eye」シリーズ 変わるバングラデシュ‐露店もキャッシュレスで‐参照)による、デジタル決済比率の75%への引き上げ(2027年内)など目標が定められている。

(注2)Supplementary Duty。地場産業保護のため輸入時や、贅沢(ぜいたく)品の購入時に課せられる税。輸入時にかかる税は、一般関税(CD)、補足税(SD)に加え、調整税(RD)、付加価値税(VAT)、前払い所得税(AIT)、前払い税(Advance Tax on Import)の最大6種類を指す。

(注3)輸入税の変更措置は、即日発効されている。法人税など所得税に関しては、2024年7月1日の発効が予定されている。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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