貿易の回復が世界の経済成長を下支え、OECD予測(世界)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月2日 0時5分
OECDは9月25日、最新の「世界経済見通し中間報告」を発表し、2024年と2025年の世界経済の成長率(実質GDP伸び率)をともに3.2%と予測した。前回(2024年5月)予測から、2024年は0.1ポイントの上方修正、2025年は据え置きとした(添付資料表参照)。貿易の堅調な伸びと、実質所得の改善、多くの国・地域での金融緩和により、世界経済はインフレ率の低下とともに底堅い成長を維持する見通しで、OECDは「重大なリスクは残るものの、峠を越しつつある」とした。
2024年の成長率見通しを上方修正した要因の1つに、貿易の回復が挙げられる。特に2024年第2四半期(4~6月)の財・サービスともに、貿易量が大きく伸びた。米国の活発な設備投資による輸入の増加のほか、中国、ブラジル、インドなど主要な新興国で予想を上回る貿易の回復が寄与した。
主要国・地域別では、米国では、金融緩和に伴うインフレ低下による実質賃金の上昇が個人消費を下支えした。GDP成長率は2024年に2.6%、2025年に1.6%の予測となった。ユーロ圏の成長率は2024年に0.7%、2025年は1.3%で、2025年については前回見通しから0.2ポイント下方修正した。特にドイツでは、景況感の低迷による貯蓄率の上昇や、産業活動の停滞により、ユーロ圏全体を下回る成長が続くと予測した。中国は2024年に4.9%、2025年に4.5%と予測。輸出の強化により工業生産の伸びは見込まれる半面、低迷する消費者需要と不動産分野の長期的な在庫調整が相殺した。
G20の平均インフレ率は2023年の6.1%から、2024年に5.4%、2025年に3.3%まで低下し、2025年末にはG20のほとんどの国で目標値に戻ると見込まれる。OECDのマティアス・コーマン事務総長は「インフレ率が中央銀行の目標値に戻るまでは、金融政策は慎重であるべきだ」と述べ、インフレ圧力が持続的に抑制されるよう、慎重な判断の重要性を強調した。また、中長期的な成長見通しを高めるため、サービス分野の規制緩和などが必要だと強調した。
今後の下振れリスクとしては、地政学的および通商面の緊張の高まりによる投資機会の損失や、輸入価格の上昇を指摘した。他方、上振れリスクとしては、実質賃金の増加による消費者マインドと支出の力強い伸び、原油価格の低下に伴うディスインフレの進行などを挙げた。
(田中麻理)
(世界)
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