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2024年上半期のタイの国境貿易額は3.6%増(タイ、ミャンマー)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月12日 0時5分

タイ商務省外国貿易局(DFT)の8月13日の発表によると、タイの2024年上半期(1~6月)の陸上国境を通じた貿易(国境貿易)の総額は、前年同期比3.6%増の9,120億バーツ(約3兆8,300億円、1バーツ=約4.2円)となった。国境を通じた輸出額は3.1%増の5,340億バーツ、輸入は4.3%増の3,780億バーツだった。

2024年上半期の、タイの隣国(国境を接しているラオス、マレーシア、ミャンマー、カンボジアの4カ国)との国境貿易額は、前年同期比2.6%増の4,930億バーツだった。輸出が1.5%増の3,050億バーツ、輸入が4.6%増の1,880億バーツだった。国別では、ラオスが1,510億バーツと最大で、マレーシア(1,490億バーツ)、ミャンマー(1,070億バーツ)、カンボジア(870億バーツ)の順だった(注)。タイからの主な輸出品は、ディーゼル油(230億バーツ)、ガソリン(1,000億バーツ)、ゴム・ラテックス(80億バーツ)など。

隣国を通過し、中国、シンガポール、ベトナムなど第三国との間で取引される国境貿易(通過貿易)の総額は、前年同期比4.8%増の4,190億バーツと拡大し、輸出が5.4%増の2,290億バーツ、輸入が4.0%増の1,900億バーツとなった。中国との貿易が最大となっており、14.3%増の2,440億バーツと増加した。続いて、シンガポール(530億バーツ、10.3%減)、ベトナム(360億バーツ、6.6%減)だった。タイからの主な輸出品は生鮮ドリアン(680億バーツ)、ハードディスク・ドライブ(410億バーツ)など。

ミャンマーから動物飼料などの輸入を拡大

タイ商務省は国境貿易を促進しており、2024年上半期に東北部ムクダハン県、中部カンチャナブリ県、南部ソンクラー県でトレードフェア、ビジネスマッチングなどの取り組みを行った。

ミャンマーとの国境貿易については、ミャンマー国軍と武装勢力の戦闘により情勢が悪化しており、同国のミャワディー国境とタイのメーソット国境の間での貿易が寸断されるなど、課題が顕在化している。タイ南部のラノーン港(2024年3月5日記事参照)や、バンコクとラノーンの中間地点にあるシンコーン国境(タイ側プラチュアップキリカーン県、ミャンマー側モータウン、2012年11月20日記事参照)などが代替ルートとして提案されている。

また、ナピントーン・シーサッパーン商務副大臣は7月17日、ミャンマーのシャン州政府を訪問。動物飼料の原料(メイズなど)をはじめとする農産物の供給地として有力な同州との国境貿易を促進するため、貿易協力の深化を呼びかけた。同州タチレク国境とは、タイ北部チェンライ県メーサイ国境が接している。

タイ商務省によると、シャン州の農耕地はミャンマー全体の9%を占める。同州の農耕地の約4割はメイズ畑という。タイのミャンマーからの動物飼料の輸入量は、2024年1~5月に前年同期比43%増の109万トンと大幅に拡大している。

(注)四捨五入の関係で、各国の数字の合計と総額が一致しない。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、ミャンマー)

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