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コンテナ船入港の9割が予定外、輸送手段を変更も(シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月11日 0時30分

シンガポールのチー・ホンタット運輸相は7月2日の議会答弁で、航路回避などの影響でシンガポールに寄港するコンテナ船の約90%はスケジュール外の入港であることを明らかにした。欧州航路の船舶がシンガポール港以降のアジア向けコンテナをシンガポールで荷揚げしているほか、コンテナを多く積み直していることが混雑に拍車をかけていると指摘した。海上輸送スケジュールの乱れなどを背景とした港湾混雑が続いていることを受け(2024年6月3日記事参照)、チー運輸相は、建設が進むトゥアスのターミナル(注1)のバース1基を7月1日から稼働したと述べた。トゥアスでは2024年内に、さらに2つのバースがそれぞれ10月と12月に稼働を予定している。

トゥアスでのバース稼働のほか、閉鎖が決定しているケッペルやタンジョンパガーのターミナルのバースやヤードスペースの一部を再稼働・再利用(注2)するなど、シンガポール政府が港湾混雑への対応を進めているものの、現状では混雑状況は解消されていない。こうした中で、輸送手段を切り替える動きが出ている。在シンガポール物流関係者(複数)(注3)によると、企業の中には、シンガポール港到着の遅れで積み替えが間に合わずに、海上輸送から航空輸送へ切り替えに迫られたケースなども出ている。また、ASEANの一部の地域間では、陸上輸送が可能であることから、海上輸送から陸上輸送に切り替えた例も出ている。

混雑状況の悪化の可能性も

チー運輸相は同議会答弁の中で、「紅海危機がすぐに緩和されそうにない」としたうえで、「アジアからの輸出スケジュールの前倒し、さらには下半期の主要な休暇が控えていることから、コンテナ量の増加により状況が悪化する可能性がある」と指摘した。在シンガポール物流関係者(前出)からは、シンガポール港の混雑は短くとも2024年末まで続くとの見方も聞かれる。混雑状況が続くと見通される中で、余裕を見た輸送スケジュールなどが推奨されている。

(注1)4段階で開発が進められており、2022年9月に第1期が稼働した(2022年9月7日記事参照)。

(注2)シンガポールでは、国内のコンテナターミナルをトゥアスに集約する計画が進められており、ケッペル、タンジョンパガー、ブラニのターミナルは2027年に閉鎖される予定。

(注3)在シンガポール物流関係者へのヒアリングは2024年7月9日までに実施。

(朝倉啓介)

(シンガポール)

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