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第56回ASEAN経済相会合を開催、AEC戦略計画の策定完了に期待(ASEAN)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月2日 1時35分

ASEAN事務局(本部:ジャカルタ)は9月17日、ラオスの首都ビエンチャンで、第56回ASEAN経済相会合(AEM)を開催したと発表した。

AEMでは、ASEANの経済成長について、2024年は4.6%、2025年は4.7%を見込んでいるとした。半導体や電子機器などの回復がASEAN全体の需要回復の主な契機となっているとした上で、世界経済の「成長の中心地」としてのASEANの潜在性を強化するために、デジタルやグリーン経済などの新分野の促進に注力すると確認した。

また、会合では、ラオスがASEAN議長国を務める2024年の優先的な経済成果(Priority-Economic-Deliverables)、物品貿易、サービス貿易、投資、電子商取引、デジタル経済の統合深化や、「グローバルなASEAN」と持続可能な成長の実現、「ASEAN経済共同体(AEC)戦略計画(2026~2030年)」の策定状況など、幅広い分野で議論した。

このうち2024年の優先的な経済成果については、ASEAN中国自由貿易協定(ACFTA)3.0のアップグレード交渉の実質合意に向けた進捗を歓迎した上で、2024年内の実質合意に向けて取り組みを加速させるとした。また、既に署名が完了しているASEANとオーストラリア、ニュージーランドのFTA(AANZFTA)の第2次改正議定書について、全締約国による速やかな発効を促すとした。さらに、ASEANインド物品貿易協定(AITIGA)、ASEANカナダFTA(ACAFTA)の見直し交渉の進捗も確認した。

物品貿易については、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)のアップグレード交渉を2025年第1四半期(1~3月)末までに終了させ、2025年9月に開催される第57回AEM会合に合わせて署名することに期待を示した。

電子商取引、デジタル経済分野では、ASEANデジタル経済枠組み協定(DEFA)交渉の2025年中の完了を期待するとした(2024年9月19日記事参照)。

持続可能な成長の実現に関する議論では、循環型経済の要素をATIGAに統合する作業の継続や、ASEANカーボンニュートラル戦略の実施を監視するASEANカーボンニュートラルタスクフォースの設立などのアジェンダの進捗状況を確認した。

その他、8月に開催されたASEAN経済統合ハイレベルタスクフォース(HLTF-EI)会合(2024年9月4日記事参照)で、2016~2025年の経済統合の方向性を示す「AECブループリント2025」に対する包括的な評価が行われたことがAEC戦略計画(2026~2030年)の策定に大きく寄与するとの認識を共有した。

さらに、2025年のASEAN首脳会合で予定されている「AECビジョン2045」やAEC以外の共同体に関する戦略の採択に間に合うかたちで、同戦略計画の策定が完了することを期待するとした。

(大滝泰史)

(ASEAN)

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