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日本畜産物輸出促進協会、フィラデルフィアで和牛セミナーを開催(米国、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月11日 0時50分

日本畜産物輸出促進協会(JLEC)は7月1日、ペンシルベニア州フィラデルフィア市で、日本産和牛の販売促進を目的とした食肉関連事業者向けのセミナー「Japanese Wagyu Masterclass」を開催した。

同セミナーには、フィラデルフィア市を中心に活動するシェフやレストラン関係者、精肉店などの小売事業者、卸売事業者らが参加し、日本産和牛の基礎的な知識のみならず、日本の公益社団法人全国食肉学校から派遣された講師による切り方の実演や試食を通じて、取り扱いが難しいロイン系(注1)以外の部位の精肉技術や活用方法などを学んだ。

実技では、日本産和牛を調理した経験のある地元シェフが登壇し、日本人講師の指導を受けながら新たな切り方を試した。登壇したシェフからは「筋に沿って包丁を入れて滑らせるだけと言われたが、切り方には高度な技術と経験を要する」とのコメントが聞かれた。日本産和牛のさらなる普及のためには、ロイン系以外の部位の需要創出が課題だが、シェフなど事業者向けの技術指導、活用方法やメニューの提案を継続することの必要性を感じるセミナーとなった。

写真 カッティングデモの様子(ジェトロ撮影)

カッティングデモの様子(ジェトロ撮影)

写真 テイスティングの内容(ジェトロ撮影)

テイスティングの内容(ジェトロ撮影)

また、セミナー後に開催されたネットワーキングに参加したバイヤーからは、次のようなコメントが寄せられた。

日本産和牛の断面の脂肪交雑はきめ細やかで芸術品に等しい。日本の肉用牛生産者の方々の「育て方」へのこだわりを感じた。
講師が説明していたとおり、日本産和牛は高級品であるため、事業者側はすべてを無駄なく使うことが重要である。牛脂の活用方法についても詳しく紹介してほしい。
ステーキ以外で日本産和牛を活用したメニューのアイデアがたくさん出された。ナックル(注2)の部位を脂肪部分も含めて細切れにし、「Philly Cheese Wagyu Beef Steak」(注3)として提供したい。
米国産Wagyuとの違いを勉強するために参加。肉質の違いを実体験したことで、日本産和牛に合うメニュー、特に若者向けなど、値ごろ感があり人気の出そうなメニューの新規開発を模索したい。

ジェトロなどを事務局とする農林水産物・食品輸出支援プラットフォーム(以下、プラットフォーム)は、2023年度にフィラデルフィアのドレクセル大学に日本産和牛コースを開設し、和牛の知識と取り扱い技術の教育、普及に取り組んでおり(2023年11月8日記事参照)、2024年も同様に和牛コースを開設予定だ。日本産和牛の需要創出の潜在性のあるフィラデルフィアにおいて、プラットフォームとJLECによる取り組みが相乗効果を発揮し、日本産和牛の消費の裾野拡大、ひいては輸出拡大につながることが期待される。

写真 会場全体の様子(ジェトロ撮影)

会場全体の様子(ジェトロ撮影)

写真 ネットワーキングの様子(ジェトロ撮影)

ネットワーキングの様子(ジェトロ撮影)

(注1)サーロイン、テンダーロイン(ヒレ)、リブロースなど牛の腰部に当たる部位で、ステーキなどに用いられることが多い高級部位。

(注2)肉質の異なる部位が組み合わさる牛の股の内側に当たる部位。日本では焼肉やローストビーフなどに活用されることが多い。

(注3)フィラデルフィアを発祥とする炒めた薄切り肉と溶けたチーズを長いロールパンに詰めたサンドイッチ。ファストフードとして人気。

(平野裕一郎)

(米国、日本)

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