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成都市とモスクワ結ぶ中欧班列が運行開始(中国、ロシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月3日 0時55分

中国の四川省成都市発着の国際列車の運行や、物流インフラ整備を主に担っている成都国際鉄路港は5月25日、成都市とロシアのモスクワを結ぶ中欧班列が同日に運行開始したと発表した。同路線は成都市を出発後、新疆ウイグル自治区アラシャンコウ(阿拉山口)市の口岸(注)から国境を越えてカザフスタンに入り、モスクワまでを約10日で結ぶ。これまでは成都市とモスクワ周辺の8都市との間で中欧班列が運行されてきたが、片道平均16日程度の日数を要していた。今回の路線の開通で輸送時間の大幅な短縮と、オペレーション効率の向上が期待されるとしている。

成都市から輸送する主な品目は家電、機械部品、靴・衣類などとなっている。中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は5月16日に北京市で会談した際、「国交樹立75周年に際しての新時代の包括的戦略協力パートナーシップの深化に関する共同声明」を発表。その中で「ロシアを通過する中欧班列の通関と輸送能力を向上させ、安全かつ効率的な貨物輸送を共同で確保する」と打ち出している。

中国国営メディア新華社の5月25日付の報道によると、中欧班列全体の累計運行本数は9万本に達し、貨物の輸送量は累計870万TEU(1TEUは20フィートコンテナ換算)、金額は累計3,800億ドルを超えた。運行本数と貨物輸送量は年々増加傾向にあり、中国からの輸送品目も多様化している(地域・分析レポート特集「中国と諸外国を結ぶ鉄道輸送網の動向」参照)。

一方、中国の主要な経済情報メディアの第一財経が成都市にある物流会社の四川新絲路多式聯運から得た情報として5月22日付で報じた内容によると、中欧班列の輸送価格は5月に入って、欧州線で前月比10~20%、ロシア線で同10%程度それぞれ上昇した。コンテナのレンタル価格の急激な上昇を主な要因として、輸送価格全体が高騰していると報じた。

(注)口岸は、税関が2国間の国境などに設置した検問所。アラシャンコウ市はカザフスタンとの国境に位置する中国側の都市で、鉄道の国際物流拠点の1つ。

(王植一)

(中国、ロシア)

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