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日インドネシア首脳会談、安全保障やエネルギー分野で協力強化を確認(インドネシア、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月15日 9時40分

日本の石破茂首相とインドネシアのプラボウォ・スビアント大統領は1月11日、西ジャワ州ボゴールの大統領宮殿で、首脳会談を実施した。両首脳は安全保障や経済、防災、人材育成のほか、プラボウォ大統領が貧困対策と栄養事業改善の一環で進める給食の無償提供事業(2025年1月9日記事参照)など、主に5つの分野で協力を深化することで合意した(1月11日付日本外務省1月11日付インドネシア外務省)。

このうち、安全保障分野では、2025年中に外務・防衛閣僚会合「2+2」を開催することで合意した。また、日本がインドネシアに対し、政府安全保障能力強化支援(OSA、注1)を通じ、高速警備艇を無償提供することでも合意した。また、両首脳は「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」や「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」の実現を通じ、世界を協調に導くべく、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化する重要性を確認し、引き続き連携していくことにした。また、石破首相は、インドネシアが目指すOECD加盟(2024年5月13日記事参照)について、日本として積極的な支援を行うと表明した。

経済分野では、石破首相は、エネルギー安全保障の確保と多様な道筋による脱炭素化に向けた協力推進の意向や、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想下で、両国企業などによる合弁企業が事業を運営しているムアララボ地熱発電事業(注2)への協力強化の合意を歓迎する意向を示した。

防災分野では、両国が災害多発国であることを念頭に、日本の知見を生かしたインドネシアの国土強靭(きょうじん)化を引き続き支援することや、人材育成の分野では、人材の双方向の往来を強化することで合意した。

インドネシア政府が進める給食の無償提供事業に対しては、石破首相がこれまでの日本の知見を生かし、日本からの専門家派遣やインドネシア政府関係者への研修などを実施したい意向を伝えた。

(注1)同志国の安全保障上のニーズに応え、資機材の供与やインフラの整備などを行い、軍などが裨益(ひえき)者となる新たな無償による資金協力の枠組み。首脳会談に先立つ1月10日には、正木靖・駐インドネシア日本大使とインドネシア国防省のヘンドリクス・ハリス・ハリアント防衛戦力総局長との間で、10億円を供与額とするOSA案件に関する書簡の署名・交換が行われていた。

(注2)住友商事やINPEX、欧州大手総合エネルギー企業のエンジ―、地熱発電事業デベロッパーのスプリームエナジーなどが出資する現地法人スプリームエナジームアララボが事業実施主体となり、西スマトラ州で運営している地熱発電事業で、2019年12月に商業運転を開始している。2023年12月、日本政府が推進するアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想の下、エネルギー移行に向けて取り組む優先事業の一案件として取り上げられていた。

(八木沼洋文)

(インドネシア、日本)

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