ネットワーキングでスタートアップへの注目高まる、TICAD閣僚会合(アフリカ、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月3日 16時0分
2025年に横浜で予定されている第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に向けた閣僚会合の「経済」セッションが8月25日、東京都内で開催された(2024年8月29日記事参照)。このセッションの後半では、スタートアップを中心にアフリカで事業に取り組む24社がブースを構え、日本とアフリカの閣僚らを含む会合参加者とのネットワーキングが行われた。
日系スタートアップでは、IoT(モノのインターネット)や人工衛星、機械学習などの技術を用いて水産養殖の課題に取り組むウミトロン(UMITRON)や、医療従事者が情報共有できるモバイルアプリやクラウドシステムを提供し、アフリカ8カ国に進出済みのアルム(Allm)、高度な情報通信技術(ICT)を用いて信頼性の低い住所システムを克服し、ウガンダとタンザニアでラストマイルデリバリー事業を展開するクーリーメイト(CourieMate)などが出展した。
ドローンと人工知能(AI)を使った環境モニタリングを手掛けるソラテクノロジー(SORA Technology)は、取締役の梅田昌季氏が参加し、自社のメイン事業「Sora Malaria Control」を紹介した。この事業は、蚊ごとに異なる繁殖水域をAI解析技術によって検出し、マラリアを媒介する蚊のハマダラカの繁殖リスクの高い水たまりを発見し、費用対効果の高いマラリア対策を実現するそうだ。これまで、ガーナ、シエラレオネ、ベナン、コンゴ民主共和国(DRC)を中心に事業展開を進めており、ネットワーキングでも「ベナンやDRCの関係者に資料を求められた」と手応えを示した。従来、ハマダラカは夜行性とされてきたが、近年では日中に人を刺す個体も確認されており、蚊帳や殺虫剤を使った屋内対策に加え、潜在的なマラリア感染リスク削減が急務となる中、自社の技術に注目が集まると期待する。また、同社は2025年開催のTICAD9で製品プロモーションを実施できるように今は事業の実証を進めているとし、TICAD9から逆算したマイルストーンを考えていると話した。
アフリカのスタートアップ関連では、2025年はTICADのほか、4月14~16日にアフリカ最大級の大型情報通信系展示会「GITEX AFRICA 2025」がモロッコで開催され、「GITEX Nigeria」が新たに開催予定だ(2024年6月12日記事参照)。
ネットワーキングセッションの様子(ジェトロ撮影)
(吉川菜穂、坂根咲花)
(アフリカ、日本)
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