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第3四半期GDP成長率、前年同期比3.0%と伸びが加速、公共投資と財輸出が拡大(タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月25日 0時30分

添付資料PDFファイル(389 KB)

タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は11月18日、2024年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率が前年同期比3.0%だったと公表した。民間消費の伸びが鈍化したものの、総固定資本形成が拡大に転じ、財輸出も加速したことなどから、前期にあたる同年第2四半期(4~6月)の2.2%から加速した。一方、季節調整済みの前期比は1.2%で、前期(0.8%)から加速した。

2024年第3四半期の実質GDP成長率を生産項目別(添付資料表1参照)でみると、農業が前年同期比0.5%減(前期:1.9%減)で引き続き減少しているが、マイナス幅は縮小した。非農業では3.2%増(2.6%増)と前期から成長が加速し、サービス業は4.1%増(3.0%増)と前期から伸張した。

需要項目別(添付資料表2参照)でみると、個人消費支出(民間消費)は前年同期比3.4%増(前期:4.9%増)で、プラス成長を維持したものの鈍化した。自動車を含む耐久財支出は9.9%減(7.7%減)と引き続き減少し、そのほか半耐久財支出や非耐久財支出、サービス支出でも伸びに鈍化が見られた。要因については、金融機関のローン審査の厳格化に伴う家計消費の縮小傾向や、洪水による農業地帯での洪水被害の影響などと分析している。

また、総固定資本形成は前年同期比5.2%増(前期:6.1%減)と、プラスに転じた。公共投資は予算の執行が拡大したことから25.9%増(4.0%減)と、前期のマイナスから2桁成長まで改善した。他方、民間投資が2.5%減(6.8%減)で、前期よりマイナス幅は縮小したものの引き続き減少した。

輸出は前年同期比10.5%増(前期:4.7%増)と加速し、同国のGDP成長を牽引した。財輸出が8.3%増(1.9%増)と加速し、サービス輸出は21.9%増(19.6%増)と2桁成長を継続した。財輸出では、農産品と製造業のどちらも拡大した。農産品輸出はコメが牽引役となり、中東市場で拡大しただけでなく、米国やアフリカ諸国向けでも大幅に増加した。他方、製造業の輸出では電子製品、主にコンピュータ部品や通信機器が拡大し、乗用車やエアコン、機械の輸出も増加した。輸出先では、米国、欧州、ASEAN、中国、中東への輸出が増加した一方、日本とオーストラリアへの輸出は減少した。

なお、NESDCは、2024年のGDP成長率を2.6%と予測し、8月の前回予測〔2.3~2.8%(中間値2.55%)〕からわずかに上方修正した。財輸出は、3.8%と前回予測(2.0%)から上方修正された。民間投資が0.5%減と前回予測(0.3%増)からマイナスに転じた一方、公共投資は2.4%増と前回予測(0.7%減)からプラスに転じた。2025年のGDP成長率については2.3~3.3%(中間値2.8%)と予測した。

(藤田豊)

(タイ)

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