バイデン米政権、米ロケットラボに最大2,390万ドルの助成発表、CHIPSプラス法で10社目(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月13日 14時0分
米国のバイデン政権は6月11日、宇宙船や人工衛星に使用される化合物半導体の生産拡大のため、米国の航空宇宙関連企業のロケットラボに対して、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づいて最大2,390万ドルを助成することで、同社と予備的覚書(PMT)を締結したと発表した。
2022年8月に成立したCHIPSプラス法は、米国内半導体産業の振興を目的に、半導体製造施設の建設や拡張などを行う企業に対して、390億ドルの助成と25%の投資税額控除を行うほか、研究開発を行う企業に110億ドルの助成などを規定している。CHIPSプラス法に基づく助成金拠出の発表は今回で10社目(注)。
ロケットラボは、化合物半導体で構成される宇宙用太陽電池を生産しており、ミサイル認識システムや宇宙望遠鏡、米国航空宇宙局(NASA)のアルテミス月探査など米国の重要な宇宙プログラムに利用されている。今回の助成の対象となる米国ニューメキシコ州アルバカーキの同社施設の拡充・高度化によって、化合物半導体の生産量は今後3年間で50%増加し、米国における太陽電池の国家安全保障上の要請と商業的需要の増大に対応できるようになるとしている。
今回の助成について商務省のジーナ・レモンド長官は「太陽電池は、通信・宇宙技術への電力供給・運用を維持するために重要であり、軍・NASA・宇宙産業が、わが国の安全を維持し、科学的発見と宇宙事業をリードし続けるために必要な半導体を入手するのに役立つ。米国のチップ製造能力の多様化に貢献し、ニューメキシコ州における質の高い新たな雇用を創出する」と述べている。
(注)1社目はBAEシステムズ(2023年12月13日記事参照)、2社目はマイクロチップ・テクノロジー(2024年1月5日記事参照)、3社目はグローバルファウンドリーズ(2024年2月21日記事参照)、4社目はインテル(2024年3月22日記事参照)、5社目は台湾積体電路製造(TSMC、2024年4月9日記事参照)、6社目はサムスン電子(2024年4月16日記事参照)、7社目はマイクロン(2024年4月26日記事参照)、8社目はポーラーセミコンダクター(2024年5月14日記事参照)。9社目はアブソリックス(2024年5月27日記事参照)。
(堀永卓弘)
(米国)
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