パティンバン港の現状と開発計画のセミナー、ジェトロが開催(インドネシア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月22日 9時45分
ジェトロは10月11日、ジャカルタ市内から東に100キロの西ジャワ州で開発が進められているパティンバン港について、オンラインセミナーを開催し、約200人が参加した。
セミナーでは、国際協力機構(JICA)のインドネシア国パティンバン港湾運営管理能力強化プロジェクト専門家チーム(JICA専門家チーム)がパティンバン港湾とその周辺地域に係る開発状況や将来計画について説明したほか、カーターミナル運営会社のパティンバン・インターナショナル・カーターミナル(Patimban Internation Car Terminal、PICT)が現在運営中のカーターミナルのエリアと将来拡張予定エリアについて情報提供を行った。セミナーのアンケートでは、パティンバンの最新開発状況が把握できたなどの声が寄せられ、多くの日系企業が関心を寄せていることがうかがわれた。
JICA専門家チームによると、インドネシアではジャカルタ首都圏で物流の取扱量が増加し、ジャカルタ北部に位置するタンジュンプリオク港湾では将来の需要に対応できない見通しであることから、日本の円借款によってパティンバン港の開発事業が進められている。現在は、カーターミナルの一部が2021年12月から本格稼働しており、将来はコンテナ取扱量が750万TEU(1TEU=20フィートコンテナ換算)、完成自動車の取扱量を60万台と見込む。現在はカーターミナルの拡張工事とコンテナターミナルの建設工事が進行中で、2027年に完工予定だ(注)。
パティンバン港の機能拡張には、運輸省が所有する港後背地(バックアップエリア、356ヘクタール)を含めた開発、物流能力の強化が課題の1つだ。2024年4月にはバックアップエリアの開発計画を運輸省が承認した。政府内で開発のための事業スキームやインフラ整備にかかる検討が行われており、今後、開発内容が具体化される予定だ。バックアップエリアでは特にロジスティクスパークの開発や、自動車、繊維など主要産業向けの付加価値のある物流サービスの提供が期待されている。また、食品・飲料産業では、大規模倉庫や冷凍倉庫を起点としたコールドチェーンネットワークへの潜在的ニーズもあるとみられる。JICAは、同港の港湾運営能力強化の技術協力プロジェクトを2023年3月から実施し、バックアップエリアの開発促進にかかるインドネシア政府の活動を支援している(添付資料図1、2参照)。
(注)Step1の開発期間は2018年~2021年で、商業運用開始済み(カーターミナル)。Step2の開発期間は2022年~2027年で、カーターミナル拡張とコンテナターミナル拡張が行われている。以降、順次拡張予定。
(中沢稔)
(インドネシア)
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