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ミレイ政権の民営化・規制緩和が進展、郵便事業への民間企業参入が可能に(アルゼンチン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月18日 0時40分

添付資料PDFファイル(89 KB)

アルゼンチン政府は11月11日、政令1005/2024号を交付し、同国の郵便事業の規制を緩和した。これまでは、郵便事業者コレオ・アルヘンティーノによる独占だったが、これにより、いかなる法人も単にその業務に携わっていることを届け出るだけで郵便事業に参入することができるようになった。フェデリコ・ストゥルツェネッガー規制緩和・国家改造相は、同社の民営化という最終目標に向けた第一歩としている。

こうしたミレイ政権の民営化や規制緩和は進展しており、7月8日に施行された「アルゼンチン人の自由のための基盤および出発点に関する法律」(通称:オムニバス法、または基盤法)にひもづいている(2024年6月17日記事参照)。

国有企業民営化の動きを振り返ると、オムニバス法は、2023年12月に国会に提出された最初の法案の時点では、41の国有企業が民営化の対象とされていたが、2月6日に下院で法案が否決された後、シェール開発大手YPFとナシオン銀行などが民営化の対象から除外されて対象は11社に減った。4月30日に上院を通過した際には、アルゼンチン航空、コレオ・アルヘンティーノ、アルゼンチン・ラジオ・テレビ国営放送(RTA)が対象から除外され、最終的に添付資料表の企業が民営化、民間資本導入の対象となった。なお、コレオ・アルヘンティーノは、この度の政令1005/2024号により民営化の対象となっている。

なお、8社のうち、これまでに民営化や民間資本導入プロセスが始まったのは、ベルグラーノ貨物物流(鉄道貨物輸送)だけだ。政府は10月23日、同社の民営化プロセスを開始すると発表した。民営化の理由は赤字体質にある。同社は、全長7,600キロの貨物鉄道を運営しているが、民営化されると、鉄軌道と土地のみが国有財産となる。

その他の民営化プロセスについては、空港のグランドハンドリング事業を独占的に手掛けているインテルカルゴは、民営化プロセスについては未発表だが、7月10日に公布された政令599/2024号などにより各航空会社がサービス提供会社を自由に選択できるようになり、今後は競合の参入が予想される。

アルゼンチン航空は基盤法の審議過程で民営化対象から除外されたが、政府は10月2日に公布した政令873/2024号により同社を民営化対象として宣言した。最近の激しい労働紛争により同社はフライトをキャンセルし、数百万ドルの損失を被ったことが背景にある。現在、会社を存続させるべく、各組合との交渉が続けられている。

電力設備の製造、販売を手掛けるIMPSAは、連邦政府が63.7%、メンドサ州政府が21.2%を保有する準国有企業で、10月31日を期限に連邦政府と州政府の全ての持ち分の入札が実施された。米国のARCエナジーのみが応札、落札したと報じられている。

(サンティアゴ・ブリニョーレ、西澤裕介)

(アルゼンチン)

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