9月のインド乗用車販売、連続マイナス成長の中でも回復傾向(インド)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月21日 1時20分
インド自動車工業会(SIAM)は10月14日、9月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数は前年同月比0.4%減の31万5,689台で、7月から3カ月連続のマイナス成長だが、減少幅は縮小している(添付資料表1参照)。なお、表1の数字には含まれていないが、地場のタタ・モーターズの乗用車販売台数を含めると、35万6,752台に上る(注1)。タタを除く自動車販売全体(乗用車、二輪車、三輪車)では、前年同月比13.1%増の242万1,368台で、3カ月ぶりの2桁成長だった。
SIAMのラジェシュ・メノン事務局長は「(2024年度)第2四半期(7~9月)の乗用車販売は106万台と、前年同期比1.8%減だったが、第2四半期に100万台を超えたのは史上3回目だ」とコメントした。シャイレシュ・チャンドラ会長は「二輪車と三輪車の販売台数は前年同期比で引き続き高い伸びを示したが、乗用車と商用車は若干のマイナス成長となった」と総評し、要因として「主要州で発生した大雨と、シュラードゥ期間(注2)のほとんどが9月中だった」ことを指摘した。暦年の第3四半期(7~9月)については、「降雨が和らぎ、インフラ投資が継続され、祝祭シーズンの到来が消費を押し上げる」ことから、需要回復を見込んだ。
メーカー別乗用車販売では、首位のマルチ・スズキが前年同月比3.9%減の14万4,962台、次いで現代が同5.8%減の5万1,101台と不調が続く(添付資料表2参照)。一方で、地場のマヒンドラ&マヒンドラは同23.7%増の5万1,062台、トヨタ・キルロスカは同7.4%増の2万3,800台、起亜は同17.5%増の2万3,523台と伸びを見せた。その他、日系メーカーでは、ホンダが同42.5%減の5,675台、日産は13.9%減の2,113台だった。なお、統計に含まれていないタタ・モーターズは、電気自動車(EV)を含め、4万1,063 台で、前月から順位を1つ下げた4位相当だった(同社発表)。
車種別にみると、マルチ・スズキが首位、2位、4位を占め、首位のコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など)は6万480台で、前年同月比11.8%減だったが、2位のコンパクトUV(「ブレッツァ」など)は2万9,795台で、同2.4%増だった。4位のUV(「グランド・ビターラ」など)は2万7,708台)で、同9.7%増と伸びた。3位と5位はマヒンドラ&マヒンドラで、UV(「マラッゾ」など)は2万9,390台で、同43.1%増、コンパクトUV(「ボレロ」など)は2万1,672台で、同4.6%増と前月のマイナスから好転した。
二輪車販売は、前年同月比15.8%増の202万5,993台だった(添付資料表1、表3参照)。メーカー別にみると、首位のヒーローは前年同月比18.6%増の61万6,706台で、2位のホンダ(同9.1%増の53万6,391台)を引き離した。スズキは同7.9%減の7万7,263台、ヤマハは同3.9%増の6万6,705台だった。
(注1)タタ・モーターズの販売台数は単月の乗用車販売台数のみ公開。自動車販売台数全体と、セグメント別、メーカー別、車種別、二輪車、三輪車統計には含まれない。
(注2)先祖を供養するヒンドゥー教の盆。ヒンドゥー暦で満月から新月までの15日間で、2024年は9月18日~10月2日。同期間中に祝い事や新製品の購入などは縁起が悪いとされ、避けられている。
(大野真奈)
(インド)
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