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米メリーランド州連邦上院選で民主党のアルソブルックス氏が勝利、同州初の黒人女性上院議員に(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月8日 13時45分

11月5日の米国大統領選挙(2024年11月7日記事参照)と同時に行われた東部メリーランド州の連邦上院議会選挙で、民主党のアンジェラ・アルソブルックス氏が、前同州知事のラリー・ホーガン氏(共和党)を破り、州内初の黒人女性上院議員となった。CNN(開票率82%)によると、得票率はアルソブルックス氏が52.2%で、ホーガン氏が45.2%だった。同州では、上院議員を長年務めてきたベン・カーディン氏(民主党)の引退に伴う後継をめぐる選挙となったが、民主党が議席を維持したかたちだ。

アルソブルックス氏は、同州のプリンスジョージズ郡の州検察官(2011~2018年)を務めた後、郡行政官に2度選出されるなど、公務経験に携わってきた経歴を持つ。同氏は、人工妊娠中絶の権利を回復するための連邦法を支持しており、ホーガン氏を選出すると、共和党が上院で過半数を占める危険性があると主張し、女性の妊娠中絶の自由を守る必要性を訴えてきた。選挙戦では、経済やインフラ開発に焦点を当てた郡行政官としての経歴や、州検事としての職務経験を生かすことをアピールした(FOXニュース11月5日)。上院議会選前に実施された世論調査では、アルソブルックス氏が常に優勢だった。ホーガン氏は、メリーランド州知事を2期(2015~2023年)務めた経験を持つものの、知事時代に党派を超えて得ていた人気を上院議員選挙で生かすことはできず、有権者は民主党が上院を支配することが重要だと考えたもようだ(米国議会専門誌「ザ・ヒル」11月5日)。

また、同日に行われた連邦下院選挙では、8選挙区中6選挙区で民主党候補が勝利を確実にした。唯一、共和党の支持基盤である1区では、現職のアンドリュー・ハリス議員が62.8%の得票率で、民主党のブレーン・ミラー氏(34.0%)を抑え、勝利した。残る6区では、民主党のマクレーン・ディレイニー氏と、共和党のニール・パロット氏との接戦が続いており、いまだ決着には至っていない。開票率85%時点でディレイニー氏の得票率は50.1%と、パロット氏の49.9%を上回っているが、差はわずか0.2ポイントとなっている。

同地区は地理的構成により、民主党が過半数を占めるモンゴメリー郡や、より保守的な傾向のある郡も含まれているため、州内の他の郡よりも競争が激化している。選挙戦の結果は、どちらの政党が下院を支配するかを決定づける可能性があり、注目を集めている。なお、同州の大統領選は開票率82%の時点で、カマラ・ハリス副大統領が60%で、ドナルド・トランプ前大統領(37.1%)に勝利し、予想どおりの結果となった。

(樫葉さくら)

(米国)

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