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トルコで再エネ変換への動き加速(トルコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月7日 0時5分

トルコで再生可能エネルギー変換への動きが加速化している。アルパルスラン・バイラクタル・エネルギー・天然資源相は10月21日、風力と太陽光の発電設備容量を2035年までに現在の4倍規模の120ギガワット(GW)への増加を目指すと述べた。さらに「再生可能エネルギー(YEKA)プロジェクト」の一環で、風力エネルギーに関して「YEKA RES-2024コンペティション」で5つの入札(合計1.2GW)を行い、今後は年間約2GW規模の入札を毎年実施して発電所の稼働を迅速化させていく考えを示した。

また、10月23日の報道によると、メフメト・シムシェキ国庫・財務相は、エネルギー効率や、洪水・干ばつリスク管理、グリーン移行、地震地帯の工業用地の再建に関する4つの重要プロジェクトについて、世界銀行と19億ドルの融資契約を締結した。これにより、世界銀行から2024年に提供される融資額は39億ドル、3年以内に融資総額は350億ドルに達するという。

民間では、トルコ電力大手のエネルジサが「YEKA資源エリア2(YEKA-2)プロジェクト」の風力発電所の発電設備(750メガワット(MW))を対象に、米国国際開発金融公社(DFC)など国内外の金融機関から10億ドル超の融資を受けることが発表された。同社は、2026年第1四半期(1~3月)までに段階的な稼働を目指しており、最終的には、総設置電力を1GWまでに引き上げることを目標としている。ほかにも、太陽光発電事業に注力するゾルル・エナジー・ソリューションズ・ソーラー(ZES Solar)が再エネ事業も展開する中国の大手変圧器・電線メーカーTBEAグループと独占販売代理店契約を締結したという報道や、欧州復興開発銀行(EBRD)がトルコのルネサンス・ホールディングのグリーンインフラと社会インフラの開発事業に対して、トルコ民間非金融企業向けとして初のサステナビリティー債(5,500万ドルのユーロ債)の発行を決定する案件などが発表されている。

トルコ政府が7月に発表したハイテクノロジー産業誘致に向けた投資奨励プログラム「HIT-30」(2024年8月2日記事参照)でも、クリーンエネルギー投資への支援は重視されている。国際エネルギー機関(IEA)のクリーンエネルギー技術の世界市場規模は今後10年間で3倍、2兆ドルを超えるという予測のとおり、この世界のエネルギー変換期にトルコでも官民を挙げた再エネ、グリーンビジネスへの参入の動きが活発化している。

(井口南)

(トルコ)

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