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欧州委がポーランドのネットゼロ経済移行を促進する12億ユーロの補助金政策を承認(ポーランド、EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月30日 9時45分

欧州委員会は9月17日、暫定危機・移行枠組み2023年3月15日記事参照)に基づく、国家補助によるポーランドの投資支援策を承認した(プレスリリース)。この補助金政策は、約12億ユーロの直接助成金により、ネットゼロ経済への移行を促進するための投資をポーランド国内へ誘致する狙いがある。

欧州委は、ポーランドの補助金政策が暫定危機・移行枠組みにおいて定める条件である、ネットゼロ経済への移行に向けた関連製品の生産の奨励、規定の最大補助上限額の順守、2025年12月31日までの期限付き、という各条件を満たすとして承認を決めた。EU加盟国は、EUのグリーン・ディール産業計画を達成するべく、関連産業への投資を促進する国家政策に積極的に取り組んでいる。温室効果ガスの排出ネットゼロ社会の実現に貢献する産業(ネットゼロ産業)における企業の生産活動に対して国家補助を拡大する方向でも動いており、欧州委は今回のポーランドの補助金政策は、グリーンエネルギーへの移行を加速し、グリーン・ディール産業計画の実施に重要な経済活動の発展を促進するために必要かつ適切であると結論付けた。

補助金の具体的な対象企業は、バッテリー、太陽光パネル、風力発電用タービン、ヒートポンプ、水素製造用の電解槽、二酸化炭素(CO2)の回収・有効利用・貯留(CCUS)設備、および、それらの設備の生産関連品や、主要部品、またはそれらの生産に必要な関連材料を生産する企業だ。

ポーランドでは、インテルがブロツワフ近郊に46億ドルの半導体工場建設の投資計画を進めていたが、9月16日にこの計画の延期が発表されていた。今回の補助金政策が欧州委により承認されたことで、環境分野への新たな投資誘致につながることが期待される。

現地大手紙「ジェチポスポリタ」(9月19日)によると、ポーランド商工会議所のチーフエコノミストであるピョートル・ソロチンスキ氏は「エネルギー転換はポーランド企業にとって喫緊の課題となっている。製造工程で炭素排出量が多い製品は市場競争力を失っていき、銀行融資判断にも融資先の炭素排出量が加味される方向性になるだろう」と語った。

(林真人、ニーナ・ルッベ)

(ポーランド、EU)

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