1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

高技能の合法移民受け入れを優先すべきと約9割が回答、米シンクタンク調査(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月25日 1時15分

米国のトランプ次期政権でも移民問題が引き続き重要課題となるが、合法移民を受け入れるに当たっては、高技能労働者や、労働力不足への対応などの条件を優先すべきという意見が多いことが最近の米シンクタンク調査からわかった。

米シンクタンクのピュー・リサーチ・センターは12月19日、米国の合法移民に関する世論調査結果(注1)を発表した。それによると、合法移民では科学者、医師、看護師、コンピュータプログラマーなど高度なスキルを持つ労働者(注2)の受け入れが優先されるべきと87%(最優先42%、ある程度優先45%)が回答した。農業従事者、在宅介護者、保育士などの労働力不足を補う人々は78%(24%、54%)、近親者が既に米国に住んでいる人々は78%(19%、59%)が続いた。

合法移民の人数のレベルに関しては、46%が「現在のレベルに保つべき」と回答した。「増やすべき」は30%、「減らすべき」は20%だった。支持政党別では、民主党支持者の41%が「増やすべき」と回答した(共和党支持者20%)。人種別では、アジア系の46%が「増やすべき」とし、ヒスパニック(32%)、黒人(30%)、白人(27%)が続いた。

2023年には4,780万人の移民が米国に住んでおり、その大部分は合法的に米国に居住している。また、同年には約120万人の移民が永住・条件付き永住者カード(グリーンカード)を取得し、2022年から約15万5,000人増加した。2007年以降、新型コロナウイルス禍の時期を除き、毎年約100万人以上の移民がグリーンカードを取得している。

一方、不法移民に関して、コネティカット州のキニピアク大学が12月に実施した世論調査(注3)では、55%は「不法移民のほとんどに合法的な身分を得る手段を与えることを望む」と回答した。「不法移民のほとんどを国外退去させることを望む」との回答は36%だった。米国で誕生した全ての子供に自動的に米国市民権を与える出生地主義については、63%が継続すべきとしたが、29%は「非市民の子供には自動的に市民権を与えないよう変更すべき」と回答した。

(注1)実施時期は8月5~11日、対象者は全米の成人9,201人。

(注2)国土安全保障省(DHS)は、専門職の労働者確保のため、2025年1月から専門職を対象としたH-1B就労ビザ申請を緩和し、承認を迅速化する(2024年12月24日記事参照)。

(注3)実施時期は12月12~16日、対象者は全米の登録有権者924人。

(松岡智恵子)

(米国)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください