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セネガル国民議会選挙、与党PASTEFが単独で絶対安定多数を獲得(セネガル)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月27日 14時0分

セネガルで11月17日、大統領による議会解散を受けて国民議会選挙が実施された。与党の労働・論理・博愛のためのセネガル・アフリカ愛国党(PASTEF)が165議席中、130議席の絶対安定多数を獲得し、第1党の座に着いた。3月の大統領選で当選したバシル・ジョマイ・ファイ大統領(2024年4月5日記事参照)は、国会運営の主導権を握ったことで、今後の政権運営で安定した基盤の上に立つことになる。

国家投票審査委員会が11月21日に発表した公式暫定開票結果によると、全国46県と海外8ブロックを合わせた54選挙区の165議席に対して、与党PASTEFが4分の3を超える130議席を獲得した。次いでマッキー・サル前大統領率いる主要野党連合タック・ワル(Takku Wallu)が16議席、アマドゥ・バ前首相率いるジャム・アク・ンジャリン(Jam ak Njarin)連合が7議席、ダカール市長のバルテレミ・ディアス氏率いるサム・サ・カドゥ(Samm Sa Kaddu)連合が3議席、その他野党および野党連合が9議席をそれぞれ獲得した。投票率は49.7%だった。

報道では、今回の選挙は、セネガルの政治的安定と経済発展に向けた重要なステップと見なされ、政権与党が法案の早期成立を可能とする絶対安定多数を確保するかが焦点となっていた。PASTEFが圧勝したことで、議会における政治勢力の構成が大きく変わり、ファイ大統領は、公約に掲げていた経済・社会改革、腐敗撲滅など重点施策を遂行する上で強い権限を得た。

ウスマン・ソンコ首相は20日に開かれた閣議で、大統領選に続く今回の国民議会選挙の結果について、政権発足後約7カ月間の成果に対する国民の肯定的な評価を反映するものであり、約束した変革の実現を保証するものだと言明した。ファイ政権は4月2日に発足して以降、旧大統領派が多数を占める議会と対立し、政策遂行に遅滞を生じていた。

マッキー・サル前大統領、マドゥ・バ前首相をはじめ野党リーダーはそれぞれ、ソーシャルメディアのメッセージを通じて、PASTEFの勝利を祝福するとともに、セネガルにおける民主主義の成熟を示すとして称賛した。

選挙期間中に各政党の支持者の間で散発的な衝突があったものの、投票自体は大きな混乱もなく平和裏に実施された。アフリカ連合(AU)と西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が合同で派遣した選挙監視団は、今回の選挙が民主的に実施されたと評価した。

(渡辺久美子)

(セネガル)

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