ニュージーランドの第2四半期のGDPは再びマイナス成長に(ニュージーランド)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月3日 1時25分
ニュージーランド統計局は9月19日、2024年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率が前期比0.2%減(注1)だったと発表した。第1四半期で3期ぶりのプラス成長を記録していたが、第2四半期は3四半期ぶりのマイナス成長に再び転じた。なお、前年同期比も0.2%減となった。
需要項目別では、乳製品の輸出減少で財・サービスの輸出が前期比0.8%減少し、下振れ要因となった。一方で、中間財の輸入減少によりで輸入が2.0%減少したほか、非耐久財やサービス支出の増加で民間消費支出は0.4%増加した。
産業別にみると(添付資料表参照)、鉱業が前期比3.7%減少となった。農林水産業も1.4%減少で、林業・木材業の落ち込みによるものだった。また、小売・宿泊業は1.3%減となり、自動車・部品小売業、宿泊および飲食サービスの減少によるものだった。卸売業も1.3%減少した。一方、製造業は上昇(1.9%増)し、主に輸送機器、機械および装置の製造の増加によるものだった。金融・保険は1.0%増、情報メディア・通信は0.5%増、医療・保健・社会支援も0.5%増と伸びた。
オーストラリア・ニュージーランド大手のウェストパック銀行によると、今回のマイナス成長は市場関係者やニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)の予想(0.4~0.5%減)よりも縮小した結果、景気悪化懸念が今回の結果によって和らぐだろう、と見解を示した。ニコラ・ウィリス財務相は、今回の発表を受けて「長期にわたり金利が高い(2024年8月15日記事参照)状態が続いているため、今回のGDPは家庭、企業、地域社会が厳しい状況にあることを裏付けている。しかし、経済が回復し始めている兆候も見られる」と述べた。また、RBNZは2024年8月、政策金利を2020年2月の政策金融委員会以来4年6カ月ぶりに0.25ポイント引き下げ、5.25%と決定していた。ウィリス財務相は「これは企業や住宅ローンを抱える世帯にとっては非常に良いニュースであり、生活費の軽減をもたらすだろう」とした。
(注)全て季節調整済みの数字。
(青島春枝)
(ニュージーランド)
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