APEC首脳会議、多国間協力とインフォーマル経済問題解決の重要性確認(ペルー、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾、タイ、米国、ベトナム)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月20日 11時35分
ペルーの首都リマで開催されたAPEC首脳会議が11月16日に閉幕した。会議終了後に首脳宣言「マチュピチュ宣言」(英語、スペイン語)が発表され、多国間協力の重要性が増していることを確認した。
首脳宣言では、かつてないほどの急速な変化が世界を揺るがしており、われわれはこれを新たな機会として捉えるとともに、リスクを最小限に抑えるため、気候変動、食料安全保障、エネルギー安全保障を含む貿易と投資の環境変化を注視するとともに、多国間協力がさらに重要になることを確認した。また、2024年のAPEC議長国を務めたペルーへの感謝とともに、今後のAPEC議長国を2025年に韓国、2026年に中国、2027年にベトナムが務めることへの期待が表明された。
議長を務めたペルーのディナ・ボルアルテ大統領による議長声明(英語)も発表された。議長声明によると、ロシア、ウクライナ、パレスチナ自治区ガザについて、幾つかの参加メンバーから、世界経済やAPECに影響を及ぼすとの考えが示された。一方で、幾つかの参加メンバーからは、APECはそのような議論をする場だとは思わないとの表明があったとも声明に記された。
併せて発表された「フォーマルかつグローバルエコノミーへの移行を促進するリマ・ロードマップ」(英語、スペイン語)は、ペルーの強い意向を踏まえたものだ。インフォーマル経済をフォーマル化することが強固でバランスが取れ、安全で、持続可能で包摂的なアジア太平洋地域の経済成長につなげるというAEPCでの議論を踏まえたコミットメントを再確認した。ペルーのエルメル・シアレル外相は地元経済紙「ヘスティオン」のインタビューで、APECの成果の中でもリマ・ロードマップは特に重要で、インフォーマルなかたちでビジネスを始めた起業家がフォーマルな経営に転換するためのアジア太平洋地域の共通の戦略として活用できると、その意義を強調した。
なお、ペルーは今回、2008年、2016年に続いて3度目のAPEC議長国を務めた。
(石田達也)
(ペルー、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾、タイ、米国、ベトナム)
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