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デュアルユース品目の輸出に対してライセンス取得を義務付けへ(タイ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月12日 9時45分

タイ商務省が5月27日に公開したリリースによると、タイ大量破壊兵器および関連品目貿易管理(TCWMD)委員会(議長:プームタム・ウェーチャヤチャイ副首相兼商務相)が5月23日に開催され、2019年TCWMD法において未実施となっているデュアルユース品目(DUI、注)の輸出ライセンス制度(2022年5月17日付地域・分析レポート参照)の検討が行われた。その結果、DUI製品を輸出ライセンス要件の対象とすることが合意されたという。

具体的な開始時期や手続きは明らかでないが、実施となった場合、企業は対象のDUI製品をタイから輸出するにあたってライセンス(輸出許可)取得が必要となる。タイ商務省によると、初期段階においては、材料や大型機械、原子力関連機器に分類されるDUIを対象として、ライセンス取得を義務化する。その後、対象品目の範囲を拡大させていく予定だ。

タイ商務省は今回の決定の背景について、ハイテク技術が進歩したことで、テロ活動に転用し得るような、大量破壊兵器の拡散につながる製品、DUI関連製品を開発することが容易に可能となってきており、タイも国際基準に従ったDUIの輸出管理措置を実施する必要があるからだ、と説明している。

TCWMD委員会は、タイ財務省関税局とタイ商務省外国貿易局(DFT)に対して、DUI関連製品の関税コードと統計コードを共同策定するよう指示した。タイの税関システムであるナショナル・シングルウィンドウ(NSW)を通じて、当該コードの貨物が輸出管理対象であるかを確認し、DUIの貿易統計作成にも活用する。また、TCWMD委員会のプームタム議長は、事業者のコンプライアンス順守にかかる負担を軽減するよう、明確で迅速なライセンス付与手続きとすると強調した。

タイ商務省のDFTとしては、今回の措置導入はタイが国連安全保障理事会決議第1540号(UNSCR1540)を順守する姿勢を示すのみならず、タイが地域や世界の安全保障に悪影響を及ぼすDUIの流通者となっていない点を、貿易・投資パートナーに周知するためだとする。また、本措置は、ハイテク産業における外国企業からの投資誘致を促進し、その結果、タイの中小企業がそうした産業のサプライチェーンに参画する機会にもつながるという。今後、DFTは関連機関と協力し、輸出ライセンス導入にかかる実施細則や電子輸出許可システムの開発に取り組む予定だ。

(注)二重用途の物品であり、一般的な民生用でありながら、軍事用・兵器としても利用することが可能な物品であることを意味する。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

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