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9年目のシンガポール・フィンテック・フェス開催、今後は国際展開強化へ(シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月14日 0時0分

添付資料PDFファイル(235 KB)

シンガポールで開催される世界最大級のフィンテック国際会議・展示会「シンガポール・フィンテック・フェスティバル(SFF)」は今後、イベントの国際展開や各国間の連携を一層強化する方針だ。シンガポール通貨金融庁(MAS、中央銀行に相当)傘下のグローバル・ファイナンス・アンド・テクノロジー・ネットワーク(GFTN)のラビ・メノン会長が116日、SFFでの基調講演で発表した。MASGFTNが主催するSFF1168日に開催され、2024年で9回目を迎えた。

写真 SFFでの基調講演で、新会社GFTNの説明をするラビ・メノン会長(ジェトロ撮影)

SFFでの基調講演で、新会社GFTNの説明をするラビ・メノン会長(ジェトロ撮影)

MASは10月30日、同庁管轄下の非営利組織エレバンディの機能を拡張してGFTNを設立し、同社会長にMAS前長官のメノン氏の就任を発表していた。メノン会長は11月6日の講演で、SFFの姉妹イベントである東京開催の「ジャパン・フィンテック・フェスティバル」はデジタル資産をテーマとし、スイス・チューリヒで開催する「ポイント・ゼロ・フォーラム」はデジタル資産や人工知能(AI)に特化した規制やテクノロジーをテーマとするなど、それぞれの開催テーマを明確化する方針を示した(注1)。またGFTNは、2025年に環境テックのイベントを初開催するほか、世界各国でのイベントの開催を今後5年で2倍に拡大する。このほか、フィンテックに関する規制整備などの国外へのコンサルティングや中小企業向けのフィンテック導入支援を拡大するほか、フィンテックと環境テックへの投資機能も持つとしている。

今回のSFFには、金融機関やフィンテック、環境分野のスタートアップを含む約600社が出展した。ジェトロは、日系スタートアップ10社を、フィンテック6社、環境テック4社のゾーンに分けて出展を支援した。

フィンテック分野の資金調達でシンガポールはASEAN最大国

地場大手銀行のユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)は11月7日、SFFの場で、会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)およびシンガポール・フィンテック協会(SFA)と共同作成したレポート「2024年のASEANのフィンテック」を発表した。同レポートによると、ASEAN6カ国(注2)のフィンテック分野のスタートアップの資金調達額は2024年1~9月に14億米ドルだった。同資金調達額は2021年をピークに減少が続くが、国別でシンガポールがASEAN最大の資金調達国としての地位を維持した(添付資料参照)。

(注1)GFTNは、東京とスイスのほか、ルワンダ・キガリで「インクリーシブ・フィンテック・フォーラム」、ガーナ・アクラで「3iアフリカ・サミット」を開催する。

(注2)レポートはシンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピンの6カ国を対象としている。UOBのサイトからダウンロード可能。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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