中銀が政策金利の引き下げを続行、4.00%に(チェコ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月14日 0時10分
チェコ国立銀行(中央銀行)は11月7日の定例金融政策会議で、翌8日付で政策金利を0.25ポイント引き下げて4.00%とすることを決定した(プレスリリース)。中銀は同時に、ディスカウントレート(割引率)とロンバートレート(債券担保貸付金利)も0.25ポイントずつ引き下げ、それぞれ3.00%、5.00%とした。
中銀は政策金利を2022年6月以降、約1年半にわたり7.00%に据え置いていたが、2023年12月に利下げに転じ(2023年12月25日記事参照)、今回で8回連続の引き下げとなった。ただし、引き下げ幅は、2024年2月から6月まで4回連続で0.5ポイントだったが、8月以降は3回連続で0.25ポイントとなっている(添付資料図参照)。
中銀は今回の決定について、最新のマクロ経済予測に基づくものと説明している。中銀は同日公表した秋季経済予測で、2024年の実質GDP成長率を8月に発表した夏季経済予測(2024年8月6日記事参照)の1.2%から1.0%に、2025年は2.8%から2.4%に下方修正した。2026年の予測は2.4%に据え置いた。中銀は、世帯の実質収入の増大と金利政策の緩和が民間消費を支えているものの、貯蓄率も上昇傾向にあり回復は限定的であること、また外需が停滞している点を指摘している。インフレ率に関しては、ここ数カ月は食品価格の上昇が続くほか、特にサービス部門などにおける価格の高止まりを予測している。今後のインフレ率の見通しも上方修正し、2024年は2.2%から2.5%、2025年および2026年もそれぞれ2.0%から2.6%、2.0%から2.2%に引き上げた。
今後の金融政策については、低インフレの持続状況や通貨チェコ・コルナの為替レートの推移、財政政策の経済への影響、労働市場、内需・外需の動向、主要国の中央銀行の対応、地政学的動向などを分析した上で判断するとし、次回の定例金融政策会議(12月19日開催予定)以降、金利引き下げを休止または停止する可能性もあると強調した。
(中川圭子)
(チェコ)
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