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アクスポ、スイス国内で2番目の水素製造施設の建設着工を発表(スイス)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年12月19日 1時30分

スイス最大のエネルギー事業者のアクスポ・ホールディング(Axpo Holding、本社:アールガウ州バーデン)とパートナー企業3社で構成するH2Uriは12月13日、スイス中部のウーリ州ビュルグレンで、新たなグリーン水素製造施設の建設着工を記念する起工式を行ったことを発表した。パートナー企業3社はシェッツレとEWAエナジー・ウリ、SGVホールディング。同施設はアクスポにとって、スイス国内で2番目のグリーン水素製造施設となる。アクスポは2024年4月26日、現地パートナーのリイイエナジー(Rhiienergie)とともに、グラウビュンデン州に初のグリーン水素製造施設を開設したことを発表した。同施設はライヒェナウ水力発電所に隣接し、年間で最大350トンまでのグリーン水素製造が可能としていた。

今回、起工式を行った施設のグリーン水素は2026年以降、ルツェルン湖の最初の水素旅客船や、その他の用途の燃料として供給される見込み。同グリーン水素製造施設は、ビュルグレンのEWエナジー・ウリ水力発電所に隣接して設置され、同発電施設から水素製造用のグリーン電力が供給される。年間で最大260トンのグリーン水素の生産が計画されており、100万リットル以上のディーゼル燃料の使用を節減できるとしている。

アクスポの発電施設・グリーンガスの責任者のガイ・ブーラー氏は「ドマート/エムスにあるグリーン水素施設で既に貴重な経験を積んでいるため、ビュルグレンでのこのプロジェクトは、スイスの水素経済発展にわれわれの役割を果たすための戦略の継続だ」と強調した。

また、同施設で製造するグリーン水素は、ルツェルン湖の旅客船「Saphir」の動力として使われる予定だ。SGVホールディングのステファン・シュルテス社長は「船舶の動力を水素燃料電池システムに切り替えることで、二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減できる。この計画は既に順調に進んでいる」と述べた。

H2Uriの出資企業で、スイス中部で水素ステーションを運営するシェッツレも同施設で製造するグリーン水素を購入する予定だ。アクスポとパートナー企業は早ければ2025年の早い段階での施設稼働を目指している。

前出のガイ・ブーラー氏は「水素市場にはまだ多くの課題があり、継続的に進展するとは考えていないが、それでも脱炭素化は電動化だけでは達成できないことを確信している。水素は解決策の一部になるだろう」と補足した。

(田中晋)

(スイス)

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