1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

治安省を新設へ、過去の政権の意向を引き継ぎ実現(チリ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月31日 0時35分

チリのガブリエル・ボリッチ大統領は1月27日、治安省を新設する法律を公布した。治安省は、これまで内務省が担っていた国家の治安や公共秩序の維持向上、犯罪防止、国民の保護を担う独立した省として機能し、国内および国際的な組織犯罪、麻薬密売、テロ行為を予防、撲滅するための国家政策および戦略を策定、設計、評価する役割を担う。また、管轄分野での法案、規制、行政措置を大統領に提案し、その実施状況を評価する役割も果たす。

治安省は、大臣の下に治安担当次官と防犯担当次官を置き、各地域に事務局が設置され、地域ごとの安全対策を実施する。また、総合警察調整センターを創設し、リスク状況の特定、複雑な警察作戦の調整、民間団体や公的機関との情報交換の促進などを担うことで、犯罪の追跡と防止のためのより多くの手段と権限を治安省に持たせる狙いだ。さらに、犯罪、交通事故、火災、急病などの緊急事態などが発生した場合に、唯一の連絡窓口となる国民保護システムの創設も検討されており、これにより警察や救急車、軍隊などが連携した初動対応が可能となる。

治安省の設置を巡っては、リカルド・ラゴス政権(2000~2006年)時に構想が生まれたとされ、その後、セバスチャン・ピニェラ前政権の2021年に法案が国会に提出されていた。その法案を現政権が引き継ぎ、内容を加筆、修正して実現に至った。法律の施行と行政手続きの後、新しい大臣が任命され、遅くとも大統領の教書演説が行われる2025年6月までに発足することが予定されている。

これまで国家の治安維持も担ってきた内務省は、今後は内閣のトップとしての伝統的な役割を強化し、各省庁の政治的調整などを担当することになる。

(岡戸美澪)

(チリ)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください